紹介ビデオと電子出願
USPTOのWebサイトに商標制度の紹介ビデオがあります。TOPページから、簡単に行けるところにありますので、時間がある時に見ていただければと思います。
場所は、TOP→Tradmark→Trademark Videoです。
このビデオ、2018年4月18日のAIPLAとのMeetingでも、米国の弁護士が紹介していました。分かり易いので、日本の商標の専門家も見てくださいねという意味だと思います。会場でも人気があったように思います。
計算してみたのですが、ビデオは、全トータルで、4時間23分あります。ただし、項目ごとに分かれているので、細かく視聴することが可能です。ニュースのアンカーマンのうな人が出てきて、解説をしてくれるというものです。
法律や実務書やWebサイトの解説を読むのよりは、だいぶ分かり易いと思いました。
一応、出願前、出願、出願後に、分かれていますが、内容的には、(1)特許や商標とはいう基本事項の説明、(2)出願の法律的な考え方、(3)電子出願を使った出願の方法です。
「Trademark Videos」
1.If you haven't started your application
(1)Basic Facts Series/Basic information to know before you file
①Trademarks, patents, and copyrights [8:38]
②Selecting a mark [10:55]
③Should I register my mark? [5:33]
④How do I get help with my application? [1:38]
⑤What every small business should know now, not later [41:47]
小計 78:31
(2)Trademark Information Network Series/Filing tips and an explanation of the process
①Introduction to the USPTO and trademark basics [run time: 10:57]
②Before you file [run time: 10:41]
③Searching [run time: 13:17]
④Fees [run time: 11:03]
小計45:58
(3)TEAS Nuts and Bolts Series/How to fill out the application
TEAS Plus vs. TEAS RF vs. TEAS Regular [run time: 3:57]
小計3:57
項目の合計128:26
2.If you are filling out your application
(1)Trademark Information Network Series/Filing tips and an explanation of the process
①Applicant information [3:45]
②Drawing issues [3:54]
③Goods and services [6:31]
④Filing basis information [4:08]
⑤Specimen [3:01]
⑥Rockin' the trademark [10:28]
小計31:47
(2)TEAS Nuts and Bolts Series/How to fill out the application
①Applicant information [3:11]
②Mark drawing page [2:09]
③Additional statement [2:42]
④Goods and services (TEAS Plus) [1:48]
⑤Goods and services (TEAS RF and TEAS Regular) [3:12]
⑥Filing basis [2:08]
⑦Correspondence information [1:42]
⑧Fee/signature information [2:12]
⑨Validation page [3:12]
小計21:36
項目の合計 53:23
3.If you successfully filed your application
(1)Trademark Information Network Series/Filing tips and an explanation of the process
①After you file [7:39]
②Solicitation alert [8:08]
③Statement of use [8:54]
④Response to Office action [10:26]
⑤Ornamental [6:08]
⑥Petitions [10:09]
⑦Post-registration issues [13:39]
⑧TTAB [8:00]
⑨Assignments and ownership changes [8:19]
項目の合計81:22
総合計 263分11秒、すなわち4 時間 23 分11秒です。
このビデオ、YouTubeにあります。YouYubeの書き込みコメントを見ていると、1割程度は、退屈だというコメントがありますが、全体的に、Informativeであるとして評価が高いようです。
赤字で書いた、一番長い41分のビデオが一番初めのようで、2013年8月とありますので、約5年前に制作されたようであり、その後、徐々にコンテンツを増やして、現在のアーカイブになったようです。
ビデオは、米国で、商標出願を考えている個人、商標専門ではない弁護士に向けられたものだ思いますが、 日本の商標弁理士や、企業の商標専門家にとっても、役に立ちます。複数見ていましたが、発音が明瞭ですし、上手に説明されていると思いました。
商標担当者の英語の勉強教材としても最適です(スクリプトも付いていましたので、ディクテーションすると米国商標法の英語に強くなると思います)。
日本の電子出願は、早い時期に始まりましたが、専用ソフトが必要であるなど時代遅れであることは否めません。USPTOのこのサイトは、出願手数料等の料金支払いがクレジットカードで支払えるのも良いなと思いました。
アメリカの電子出願は、個人でも使えることに置いているように思いますし、このビデオはそのような個人に知識を持ってもらう取り組みで、非常に重要なものであると思います。
米国では、弁護士も星の数ほどおりますので、商標出願したことのない弁護士は大多数です。そのような滅多に商標出願しない弁護士へのガイダンスという役割もあるのだと思います。
日本でも、弁理士会が会員研修でやっているe-Learningは、非常に良いものなのですが、レベルが高すぎるのと、細分化されているので、このような制度全体を分かり易く解説したビデオは見たことがありません。
是非、特許庁でこのようなビデオを作成していただきたいなと思いました。
そして、米国のように、専用ソフトを不要にしたりクレジットカード支払い可能にするなど、Webから簡単に出願できるようなものにしてもらえると、個人の出願人は大変助かりると思います。最近は、日本の税金でさえクレジットカードで支払えるようですし、WIPOのマドプロもクレジット払い可能です。特許印紙の予納など、時代遅れになってしまっているようです。
これらの施策は、国民の商標リテラシーを上げ、商標出願件数を上げるために必要な施策だと思います。国民が正確な商標の知識を持つことは、国民が、品質の良くない特許事務所を見分ける選択眼を養うことにもなります。