そういう理由だったのか
2018年5月20日の日経に、無人店が中国を席捲しているという記事がありました。
- 中国では、レジなどに人を配置しない無人サービスが広がっている
- 宅配ロッカーのようなところから料理を受け取る無人レストラン
- アリババ、京東集団、蘇寧雲集団なども参入
- ベーカリー、コンビニ、衣料品店、ミルクティー店、ホテル、カラオケボックスも
- 経済成長で、家賃や人件費が高騰。割安なネットとの競争に負ける
- コスト対策として無人店。スマホ決済で人件費削減
- 小売店だけで、2022年には9500億元(16兆円)と2018年の30倍になる見通し
- 中国はスマホ決済で先行。決裁全体の7割。偽造紙幣が多く、ネット決済が普及
- 丁寧な接客サービスはもともとなく、期待していない。無人店は不快な思いをしなくて済む
- 事業継続性、経営リスク、消費者の安全よりも、まず行動にでる国民性
- 日本は人材不足対策。実証実験レベル
とあります。
コメント
AMAZON GOのタイプの無人店が、なぜ、中国で先行しているという話があったので、なぜだろうと思っていたのですが、良く理解できました。
- コスト対策
- スマホでの決済の普及度合
- 接客サービスへの期待値が低い
- すぐに行動する国民性
この4点なのですね。多面的に分析されていると思います。
特に、3.の接客サービスへの期待値の問題は、あまり考えていなかったので、目から鱗です。確かに、中国の量販店にいくと、スマホ売り場で店員がひまそうにおしゃべりをしているようですし、小売店や飲食店でも愛想が良い訳でもないので、無人店の方がサービスが上と感じるかもしれません。
これに人件費(コスト)の問題があるとすると、無人店をしない理由がありません。
日本のフードコートでは、呼び出しベルをもらって、カウンターに受け取りに行くことがあります。一方、中国の無人店では、極力、人に会わないように、宅配ロッカーのようなところから料理を受け取るようです。
日本でここまでやると、味気無さを感じてしまうかもしれませんが、中国で接客で不快な思いをするよりは、確かに良いのかもしれません。
しかし、日本でも、特に都内の人手不足は深刻なようです。昨日行った赤坂見附のコーヒーショップでは、店員の数が少なく、お客様にコーヒーを出すのに精一杯で、後片付けができていないようでした。
セルフで返却してもらっているのに、それを処理できないというのは、無人化とは別問題かもしれませんが、人手不足は深刻です。
「おもてなし」の言葉に代表される、丁寧な接客サービスというのは、昔からの日本の商売の特性ですが、これから日本のサービス業が海外にでるときに、それは売り物にできないのではないかと思います。
日本のような「おもてなし」のサービスはコストがかかるので、値段を高く設定するならありえても、値段で勝負するならありえないとなります。
人に頼るしかない「おもてなし」ではない、それ以外のところで、サービスの差別化が必要なようです。