位置商標で登録
2018年7月2日、日清食品ホールディングスのニュースリリースで、カップヌードルのロゴやブランド名がない、キャタピラだけで、位置の商標として商標登録がされたというものがありました。
下記のリリースに、商標の見本(図面)があります。
- 象徴的な帯型の図形(通称:キャタピラ) を「位置商標」として出願
- 2018年4月6日に商標登録 (登録番号:第6034112号)
- 創業者の安藤 百福がデパートで見かけた "洋皿" がモチーフ
- 大高 猛 (おおたか たけし) 氏がデザイン
- 発売当時のデザインを一貫して守り続けてきた
- 上下の帯型の図形だけでもお客さまに「カップヌードル」と認識していただけるようになっている
とあります。
コメント
大高猛さんは、あの有名な大阪万博のシンボルマークを作った大阪のデザイナーということです。このカップヌードルのデザインも、同じ方にデザインしてもらったものだったんですね。この点は、覚えておこうと思います。
カップヌードルの発売が、1971年だそうです。発売から47年間、同じデザインを一貫して使用してきたということであり、ロングライフデザインであることは確かです。
スーパーマーケットで確認すると、通常のカップヌードルでは、白のカップに、ゴールドのキャタピラですが、カップヌードルの種類によっては、黄色があったり、緑色があったりするようです。
今はゴールドが登録されていますが、色が多少変わっても、この部分にキャタピラがあると、カップヌードルを想起しますので、位置の商標という言い方がぴったりくると思います。
J-Plat Patで見たところ、位置の商標は、あまり登録がなく、2018年7月9日朝の時点で、51件だけでした。
これは有名だなと思ったのは、このカップヌードルのキャタピラと、キューピーマヨネーズの包装のビニールにある赤い格子模様(商標登録第5960200号)、ソニーのプレイステーションのコントローラーの〇✖□△(第5858802号)、亀田製菓の柿の種にあるエンブレムのようなもの(第5873740号)でしょうか。
カップヌードルのキャタピラが、今、はじめで出てきたとして、通常は、部分意匠で、意匠権を取るだろうと思います。そして、意匠権は、登録日から最長20年間有効となります。
そして、一貫して使用を継続することで、商標としての出所表示機能が出てくる場合は、商標としての保護も可能となり、今回のよう位置商標にもなるのだと思います。
意匠と商標が地続きである一つの事例だと思いました。