PillPack(ピルパック)買収
2018年6月29日の日経に、米アマゾンが、処方薬をインターネット販売しているピルパックを買収し、医薬品の販売に本格参入するという話がありました。
www.nikkei.com
- 買収額は、10億ドル(約1100億円)程度
- ピルパックは薬剤師が2013年に創業した企業。処方薬やビタミン剤の宅配サービス。売上高は1億ドル程度
- ネットで処方薬を受け付け、一回分の服用分を小分け包装して配送
- 高齢者に人気
- AIスピーカーで家庭の常備薬を管理して、減った分を定期的に配送するサービスを視野
コメント
アマゾンが、生鮮食料品のホールフーズを買収し、生鮮食料品のネット販売が本格化しているようですが、次は、処方薬の販売のようです。
処方薬の販売には、米国でも許認可や薬剤師の配置などが必要なようですし、保険会社との関係などもあり、簡単には規模が拡大できないそうです。しかし、それでも、比較的好調とされるドラッグストア業界にも、アマゾン・エフェクトが生じてくるのだと思います。
さて、このピルパックですが、処方薬を一回分に小分けするのは、面白いサービスだと思います。飲み忘れや、飲み間違いが防げます。薬局で4、5種類の薬をもらうと、だんだん、数が合わなくことがありますが、それが防げそうです。www.pillpack.com
日本でも、病院で薬を出していた昔は、病院によっては、このタイプのサービスがあったように思うのですが、処方薬は病院外の薬局で購入することになり、この小分けをやってくれるところがなくなったように思います。
ネットで処方薬のサイトはないかと見たところ、日本の場合は、ネットで処方箋を送り、薬局で受け取るということは可能な所はあるようなのですが、宅配はしてくれないようです。
Skypeや電話などを使えば、健康保険書の確認や、口頭での指導もできるのに、手渡しにこだわって、業界を守っている感じです。
まあ、病院の近くに処方薬の薬局があるので、あまり気にはなりませんが、それでも、病院で数時間ほど時間がかかり、更に薬を受け取るのに数十分かかるのは、非常に疲れますので、宅配してくれるなら助かります。
もう一つ、AIスピーカーで薬の補充サービスをするという点ですが、どうしたらそんなことができるのか?と思ってしまいます。
AMAZON GOのように、薬箱に監視カメラでも設置しておけば、薬が減ったかどうか分かりますが、AIスピーカーでは、個人が胃薬がなくなった、目薬がなくなったと、AIスピーカーに報告しないと分からないのではないでしょうか。でもそれなら、ただの音声による注文です。
日常のさりげない会話を聞いて、AIスピーカーが判断(「もう、胃薬、あと少ししかないよ。」など)するのでしょうか?
こちらも、どうするのか、面白そうです。