あまり順位に変動がない?
2018年7月26日の日経に、日本企業の研究開発費のランキングが掲載されていました。
順位は、
- トヨタ自動車(前年1位、1兆800億円)
- ホンダ(同2位、7900億円)
- 日産自動車(同3位、5400億円)
- デンソー(同6位、4950億円)
- パナソニック(同5位、4900億円)
- ソニー(同4位、4700億円)
- 日立製作所(同8位、3500億円)
- キヤノン(同7位、3400送億円)
- 三菱電機(同12位、2250億円)
- NTT(同13位、2200億円)
●二面の関連記事に、調査の方法があります。
- 主要546社の研究開発役員にアンケート
- 有効回答289社
- 研究開発の定義は、財務諸表規則の「新製品または新技術の開発・開拓のために支出した費用」
●自動運転やAI、IoTを支えるITやソフトの日本の競争力は必ずしも高くない。
米グーグルを傘下に持つ米アルファベットの投資額は約1兆8000億円
●また、二面の関連記事には、アンケート結果があります。10年後には、中国とインドの研究開発力が台頭すると予測
論文数で2013年~2015年の平均で、日本は、9位。10年前の4位から急落。10年前に6位の中国が2位。論文数は、5~10年後の国の技術力を示す先行指標
●企業の対策は、研究分野の選択と集中、産学連携
とあります。
コメント
企業の技術力は、商品やサービスに結実し、売上高やブランド力にも影響してくるものですので、チェックしておきたいものの一つです。
ただ、このランキングは、あまり順位に変動がないランキングだなぁと思いました。
昨年に比べると、TOP10では、アステラス製薬と東芝に替わり、三菱電機とNTTが新たに入っているようですが、それほど変動率が高くはありません。
研究開発の定義は、財務諸表規則の「新製品または新技術の開発・開拓のために支出した費用」とありますが、ここには、基礎研究的なものと、実際の製品開発が混在しているようです。また、施設の費用や人件費などの固定費的な要素が高いためだと思います。
企業の技術力の指標としては、特許の出願件数もありむすが、知財戦略によっては、日本の出願件数を下げて海外比率を上げることもあるので、日本の出願件数だけでは企業の技術力をみることはできません。
2018年 特許ランキング - 知財ポータルサイト『IP Force』
企業関係者の論文数もあるのでしょうが、検索エンジンで検索しても、出てくるのは、大学等の研究機関のランキング程度で、企業の論文数をまとめたような記事は発見できませんでした。
その分野の研究者や技術者なら、どこの企業が強いなどということは、肌感覚で分かったいるのだと思いますが、表に出ているランキングのような指標はなさそうです。
一方、大学や研究機関の方は、論文を出すのが仕事なのだと思いますが、こちらは、中国に勢いがあるようです。
科学技術基本計画で大学に大量の資金を投入したのにどうなってしまったのか?と思います。
たぶんお金だけが原因ではないのだと思います。
大学改革で任期付きの研究職ばかりになったのが原因なのか、日本人研究者に中国人研究者のようなアグレッシブさが無くなったのが原因なのか?企業が大学に産学連携のような短期的な成果を求めることが原因なのか、と想像しますが、門外漢なので、よくわかりません。
ただ、技術力は、将来のブランド力に影響するので、何とか踏みとどまってほしいなと思います。