東京都立大学に戻す
2018年8月25日の朝日新聞で、首都大学東京の名称を、東京都立大学に戻すことになったと小池知事が発表したという記事がありました。
内容は、
- 2020年4月に「東京都立大学」に戻る
- 首都大学東京になり、知名度が下がったなど不満
- 石原慎太郎知事時代の2005年に、都立大など4大学・短大を統合してスタート
- 当初から学内では名称に不満
- 昨秋の学生アンケートでも、「大学名・知名度」が改善して欲しい点として半数近くが回答
というようなものです。
コメント
首都大学東京のリリースが出ています。
お知らせ :: ニュース :: 首都大学東京の名称変更について | 首都大学東京
名称変更に積極的なようです。
基本、大阪で暮らしていたので、そもそも「東京都立大学」というものに、なじみがありません。
大阪では、大阪府立大学と大阪市立大学の2つの公立大学があり、大阪では双方有名でしたので、この2つの大学の東京版という感じ程度です。
知財法の渋谷達紀先生が東京都立大学だったので、そこで何とか知っている程度の知識であり、東京都立大学という大学名にあまり興味はありませんでした。
東京都立大学のころから、英語名はTokyo Metropolitan Univesityといい、首都大学東京になっても同じ英語名を使っていたようです。(東京都立のことは、だいたい、「metropolitan」と翻訳しているようです。東京都立高校は、Tokyo Metropolitan high-schoolというようです)。
この英語名、素直に日本語に訳すと、「東京首都大学」です。「東京首都大学」では東京が先にあり、「首都大学東京」では東京が後ろに来ています。
この2つですが、いい易さ、覚えやすさとしては、どちらも成立しているように思います。「東京首都大学」は、他にもありそうな名称なので、「首都大学東京」の方が、独自性が多少あるというところでしょうか。
大学側は、もともと、東京都立大学で良かったようです。それを、石原都知事時代に、政治的意図もあって、首都大学東京にしたようであり、今回、元の名称に戻す修正が入ったということです。
一つ気になったのが、昨年の学生アンケートです。このアンケートでは、改善してもらいたい点として、「大学名・知名度」としています。
「大学名」が改善点なら名称の問題であり、名称変更を検討すべきですが、「知名度」が改善点なら広報などで周知を図るべきとなります。
一般的に考えると、名称変更を検討する前に、大学名の周知徹底があります。
2005年に名称変更して、13年経っています。当時、18歳の人、すなわち、現在31歳までの人は、首都大学東京の方が認知度が高いと思います。これから、10年経つと、首都大学東京に親しんだ人が更に増えるはずです。
そう考えると、無理に、今、戻す必要があるのかなぁという気もします。
そもそも、当事者に反発があり、思いがこもっていない名称であれば、変更も致し方なく、タイミングをうかがっていたのかもしれません。
名称を戻すだけが解決策ではなかったように思いますので、スッキリしない話です。