廃止の動きとその背景
最近、新聞やネットで、プラスチックの話題をよく見ます。
●プラスチック製ストロー
- 米マクドナルドが、英国とアイルランドで、2019年年までに紙製に切り替えると発表(2018年8月30日の朝日新聞)
- 米スターバックスが、2020年までに全世界で提供をやめる(2018年7月10日朝日新聞デジタル)
- すかいらーくHDが、2020年までに廃止(2018年8月17日の朝日新聞)
- イケアが、2020年までに、ストロー他7製品を廃止(2018年8月30日の朝日新聞)
●プラスチック製の使い捨てレジ袋
- 米スーパー大手のクローガーが、2025年までに全店で廃止。再利用できる袋(エコバック)に切り替え(2018年8月24日の日経夕刊)
- シカゴやカリフォルニア州では禁止(同記事)
- 2013年からイオンが無料配布を取りやめ
●使い捨てコンタクトレンズ
コメント
はじめ、スタバックスや、すかいらーくの話を見た時は、ブランド戦略として、環境にやさしいブランドだということを消費者に訴求したいのだろうと思って見ていたのですが、ここまで広がると、これからは差別化ができるようなネタではないので、ブランド戦略上は特に有用ではありません。
ニュースバリューがあるのは、はじめのマクドナルド、スターバックス、日本ではじめてのすかいらーく、ぐらいです。
検索していると、欧州委員会が1月に発表した「欧州プラスチック戦略」というものとそれを受けた欧州指令案というものがあるようです。
欧州委、使い捨てプラスチック製品を規制する法案を提案 | ビジネス短信 - ジェトロ
まだ、案のようですが、2019年5月を目標としているようです。
などです。
拡大生産者責任という言葉は聞きなれない言葉ですが、「製品の使用後の回収費用を生産者が負担するなど、生産者の責任を製品の使用後まで拡大させること」とあります。
ストローなどは、販売禁止になるようです。各社の動きは、これを受けたものとすれば、今回のマスコミの報道は理解できます。
日本の官庁、業界団体の動きとしては、2018年9月5日の日経には、
という記載がありました。
また、生分解性プラスチックの話題で、2019年8月29日の日経に、三菱ケミカル、カネカの話がありました。
紙製ストローは、紙のにおいで飲料の風味を損なったり、強度が弱いという難点があるようで、生分解性プラスチックが有望なようです。価格は高くなるようですが、飲料代に占めるストロー代はわずかとあります。
この記事には、枠組み作りは、フランスが先行して、2020年までにプラスチック使い捨て容器の禁止の法律を作り、英国が追従し、日本は遅れているとあります。
日本は、健康被害などの科学的検証を優先しているようですが、その間にも、欧州主導でルールが作られてしまうとあります。
欧州のルール作りのうまさは、CEマークのような適合マークや、ISOのルールでも明らかです。日本企業は、たとえ技術では先行していても、ルール作りで負けてしまいます。
環境でも、他の問題でも同じですが、日本だけでルールを作っても、あまりインパクトがありません。アジア全体とか、日韓台+アセアンとか、ある程度の枠組みでルールを作り、欧州に対抗しないと折角の日本企業の技術が生きてこないように思います。
国レベルでは、技術、法律、英語、外交力、その他の能力のあるスーパーエリートを計画的に養成することが必要がありそうです。