生産終了の原因はスマホ?
2018年9月29日の朝日新聞に、森永製菓が、チョコフレークの生産を来年夏までに終了するという記事がありました。
- 1967年発売。50余年にわたり親しまれてきた
- 森永によると手がべとついてスマートフォンを操作して食べにくいため、人気が落ち込んでいた
- 生産効率化のため、千葉県と甲府市の工場を2020年3月に閉鎖し、別の拠点に機能集約
- 森永の工場は、国内は7か所に
という内容です。
コメント
この記事ですが、チョコフレークは、チョコで手が汚れて、スマホが操作しにくいという点に反応しました。
コーンフレークにチョコをかけた商品なので、食べると音がするので、オフィスでこっそり食べるのには向いておらず、自宅でテレビでも見ながら食べる商品とは思いますが、自宅なら、少し冷蔵庫に入れておけば、手を汚さずに食べることもできるように思います。
ネットを見ていると、マツコ・デラックスさんが、コメントをしていたり、話題になっているようです。
さて、森永製菓のニュースリリースを見ましたがが、特に話題になっているチョコフレークのものはなく、工場再編についてのものがあるだけです。
国内における生産拠点の再編について | 2018年 | ニュースリリース | 森永製菓
この中で、チョコフレークの生産終了は確かに書かれていますが、話題になっている、スマホで手が汚れるから売れないという説明まではありませんでした。
記者会見で説明があったのか、新聞記者が電話取材したときに森永の広報が話をした内容なのかは不明です。
森永製菓ぐらいの大手なら、当然、マーケテイングリサーチはいつもやっているのでしょうから、アンケート調査やグループインタビューで、チョコフレークは手が汚れるので、スマホを見ているときに食べると、スマホが汚れて嫌という意見もあったのだと思います。
ただ、生産終了になる理由は、それだけではないように思います。工場の集約化も理由でしょうし、諸般の理由で、実際は売れていないというところが、一番の問題なのだと思います。
検索していると、2018年10月2日のJ-CASTニュースに面白い記事がありました。
チョコフレークというと森永チョコフレークと思っていたのですが、もう一つ日清シスコのチョコフレークがあるようです。
そして、森永チョコフレークの販売終了のニュースで、日清チョコフレークが終了すると勘違いする人が出て、お店の棚からなくなったりしているようです。
この話も面白いのですが、更に、日清シスコのチョコフレークについては、
- 1968年発売
- ここ数年 2桁成長で好調に推移
- 現在はチョコフレーク市場の約75%のシェアで、好調
- 販売を続けていく
とあります。
スマホで手が汚れるというのであれば、日清シスコのチョコフレークも同じです。結局、森永製菓が、チョコフレークをテコ入れするつもりがなかっただけというのが、本当のところではないでしょうか。
今回は、広報担当者が、理由付けとして、スマホの話を説明に使っただけとは思いますが、マーケティングリサーチなどの調査で出てきた特徴的な意見だけを鵜呑みにすると、判断を間違えるという代表例だなと思いました。
調査結果の取り扱いは難しいものだと思いました。