反対の理由は?
2018年11月26日の日経に、兵庫県の篠山市が、丹波篠山市にすることの是非についての住民投票があり、賛成が多数であったことについてのまとめ記事がありました。
- 住民投票で、賛成が過半数
- 新元号に合わせた2019年5月に新たな名称に
- 2004年に丹波市が誕生したことが発端
- 篠山市は、丹波国の篠山藩城下町の旧篠山町などが合併し、1999年に発足
- 篠山市の事業者らから「丹波を冠した名産物が誤認される」などの意見
- ブランド名と市名が統一されれば名産品の発信力が高まる
- 改名の検討過程が不透明として、市民団体が住民投票を要求
- 住民投票の投票率は成立に必要な50%を上回った
- 篠山市の誕生から20年近く、愛着を持つ人も多い
- 伊豆では伊豆市や伊豆の国市など5市町が「伊豆」を称し、紛らわしいとの指摘
というような内容です。
コメント
今回、市名の変更を問う住民投票の投票率は、約70%だったようです。そして、賛成票が1万3646票で、反対票は、1万518票ということです。
案外、反対意見が多いんだなあというのが、素直な感想です。56%賛成、44%反対です。
こんなに多くの人が反対なのに、多数決で市名変更をやってしまうの?とも思いました。この種の議論では、8割、7割程度の賛成が必要ではないかという感じがしました。
篠山市よりは、丹波篠山の方が通りが良いので、良いんじゃないのかなあと思ったのですが、実際はそう単純ではないようです。
日経には、篠山市になって20年経って愛着があるという意見、伊豆のように丹波●●市が沢山出てくることで却って分かりにくくなるという意見があります。
確かに、市名の変更は、各種看板、書類など、多くのものを変更する必要があり、多くのコストがかかります。このコストは、市だけではなく、住民や企業にもかかります。パンフレットの会社案内の住所も変更が必要です(しばらくならシールを貼るかですが)。
また、篠山市から丹波篠山市と、2文字増えるので、長くなりますので、住所を書くのが面倒にもなります。
2018年11月19日付のYahoo!ニュースの神戸新聞NEXTの記事によると、反対の理由は、
- 改名の必要性を感じないが、51.9%
- 「篠山市」という市名に愛着があるが、30.0%
- 市の変更プロセスに問題があるが、10.7%
とありました。
改名の必要性を感じないというのは、コストや手間をかけるだけの理由がわからないという意見に近いように思いました。消極的反対という感じもしますので、市名変更の良い面が出てくると、意見は変わるかもしれません。
篠山市への愛着については、新しい市名にも、数年すると新しい愛着が出てくるので、これは時間の問題でもあります。
同時にあった市長選挙では、市名変更推進派の市長は圧勝したようですが、市長支持者の24.7%は、市名変更には反対とあります。このあたりの数字は、消極的反対の人なんだと思います。