三井商号商標保全会
2018年11月21日の日経に、三井生命保険が2019年度にも、社名を「大樹生命保険」に変更する方針を固めたという記事がありました。
- 三井生命は、90年以上続いた伝統ある商号
- 2015年度に、日本生命保険が三井住友銀行から約8割の株式を買い取った
- 三井の名を冠することが難しくなった
- 新社名に日生はつけない
- 新社名は、約50年前から展開する「大樹」シリーズにちなんだもの
- 大樹は顧客からの知名度が高い
- コーポレートカラーは、引き続き緑
- 三井商号は、三井商号商標保全会が管理
- 三井生命は、三井グループから商号変更を求められていた
コメント
リリースが出ています。
https://www.mitsui-seimei.co.jp/corporate/news/pdf/20181129_1.pdf
三菱グループには、三菱社名商標委員会があるというのは、知っていました、
同様な組織が、三井グループにもあるようです。
この両者は、商号(社名)と、商標を、セットにした点に意味があります。
商標の使用許諾(ライセンス)の話は良く聞きます。
しかし、商号の使用の許可というか承認というものは、法律上も明確なものがありません。
商号の場合、名板貸しの禁止に引っかかりますので、自分の商号を使わせることはありませんし、パリ条約にも、WTOのTRIPSにも商号のライセンスなどは、どこにも言及されていません。
商標はズバリ同じマークをライセンスしますが、商号はスバリ同じではなく業態名を加えたものを使用許可します。(ライセンスではないので、許諾と言い難いところです)
法的には、認知されていないような商号の使用許可ですが、商標ライセンス以上に重要なものです。それを理解しているのは、三菱と三井ということなんだともいます。
三菱社名商標委員会や、三井商号商標保全会が、社名(商号)を、商標よりも先に記載していることからも、どちらが良い重要なのかが分かります。
商号が大切です。商標は、許諾者の権利ですが、商号は、許可されたものの権利です。よほどしっかりした相手にしか許可できません。
さて、三井生命が、大樹生命になる経緯については、デイリー新潮に詳しい記事がありました。
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実態は三井グループ企業の総務などを担当する幹部の集まり
とあります。
ちなみに、三井広報委員会のWebサイトに、社長・会長の会が二木会で、常務以上が参加できるのが月曜会とあります。
三井グループ中核企業の二木会・月曜会|三井百科|三井の特集|三井広報委員会
商標についても、三井生命は、旧三井財閥の商標である、〇に井桁に三の商標(三井物産の昔の商標)を止めることになると思います。
もう一つ、面白いのは、新しい社名が、ネーミングの「大樹」になることです。「大樹」は、ネーミングからハウスマークに出世したことになります。