「株式会社くらコーポレーション」から「くら寿司株式会社」へ
2018年12月18日のくらコーポレーションのニュースリリースで、社名変更の話が出ていました。
http://www.kura-corpo.co.jp/company/ir/kura_pdf/release_pdf/kurair_181218companyname.pdf
- 2019年5月1日に商号(社名)変更
- 商号変更の理由は、新たな元号を節目として、事業がさらにグローバルに展開していくことをふまえ、海外のお客様にわかりやすい名称とするため「すし」を商号に入れる
- 名称といたしましては、長年当社の呼称として定着している「くら寿司」を新商号とし、世界に「Kura Sushi」ブランドの浸透を推進
- くら寿司株式会社(英文:Kura Sushi,Inc.)
コメント
二点、面白いと思いました。
一つ目は、新たな元号を節目として、というところです。平成に替わる、新たな元号の変更に、時代の変化を感じとり、そこに今後の成長の機会を感じて、商号(社名)変更するというのは、あまり聞いたことがない話なので、新鮮でした。
時代を感じる感覚にすぐれた経営者しか、こんな発想は出てこないと思いました。普通の会社では、お金のかかる社名変更を、この理由ですることはなかなかできません。
二つ目は、より実質的なところでしょうが、グローバル化を見ているということです。同社の歴史を見ていると、昭和52年に堺で一般的な寿司店として開業とあり、平成2年に「株式会社くら寿司」となり、平成7年に「株式会社くらコーポレーション」とあります。
(そして、その後、自動廃棄システム、ビッくらポン、タッチで注文、鮮度くん、すし屋のラーメン、すし屋のカレーと技術革新やアイディアが満載の事業をしています。)
海外には、台北、カリフォルニア、テキサス、台中にお店があるようです。
現在の英語社名は、「Kura Corporation」であり、日本語と英語はどちらも、発音が「くらこーぽれーしょん」ですが、今後は、日本語は「くら寿司株式会社」で、英語は「Kura Sushi, Inc.」となるとあります。「Corporation」より、「Inc.」の方が短くて良いというところでしょうか。
通常、ある業態で成功を収めると、別の業態に進出して、多角化をして、経営を安定させようと考えます。吉野家でさえ、はなまるうどんや、京樽、すてーきのどん、フォルクスなどのブランドを経営しています。
くら寿司と、「寿司」の名前を持った会社が、寿司店以外をすることは自由ですし、子会社形式での保有なら、何らの問題もありません。
今回は、あえて「寿司」を入れることで、海外に打って出るという姿勢を示すという面白い戦略だと思いました。
2020年の東京オリンピック・パラリンピック、その後の2025年の大阪万博と、日本は観光立国として成功しそうな感じです。日本の文化を世界の人々が体験することになり、日本のサービス業が世界に出る良いタイミングですので、非常に時期を得た、社名変更ではないかと思いました。
くら寿司のようなお店になると、初期投資に相当資本が必要なので、コンビニやコーヒショップのように、フランチャイズというよりは、直営になるのだと思います。
海外展開しているようですので、海外で仕事ができると思って、入社する優秀な若い社員が増えるのではないかと思いますし、投資家や金融機関の支援も得やすくなるのではないでしょうか。