Nishinyの商標・ブランド日記

商標・ブランドの情報です。弁理士の西野吉徳のブログです。

特許事務所で勤務した感想(その3)

インターネット時代

 

昨年は、平成最後の年ということで、テレビ番組では平成の時代をまとめた特集が多かったのですが、この30年で一番変わったのは、インターネット、パソコン、スマホなどのデジタル化、ネットだという番組が有りました。

 

番組はどちらかというと、インターネットの負の側面をクローズアップしていました。

興信所が、人探しをするのに、SNSと、Webサイトで、デスクトップ分析を相当やっているのです。

 

中国の模倣品対策や異議申立、商標調査、不使用の確認のためにも、インターネットは、無くてはならないツールです。

 

先日、他の事務所の商標弁理士さん達とディスカッションしているとき、ドイツの調査が、インターネットの活用で、使用実態に近い、妥当なものになっていて驚いたと発言すると、いやいや日本でも、インターネットを使って、同じような使用実態調査までやって回答していると聞き、驚きました。

 

既に日本でも、使用主義的発想が、実務に入っていました。

 

企業の商標管理なり、特許事務所の商標業務が復活するヒントは、このあたりにあるのではないかと、思っています。

 

キーワードは、使用実態です。

 

ブランドマネジメントでは、使用実態を重視します。ロゴの形状、色、大きさ、位置はもちろん、掲出する媒体(看板、カタログ、広告Webサイト、名刺等のステーショナリー)などです。

また、ブランド露出の効果測定を行い、認知度の変化やイメージ測定などをします。

使用実態が、全てです。

 

このブランドマネジメントの発想は、商標の使用主義とは相性が良いのですが、登録主義とは相性が悪いのです。

 

ドイツの商標法は、登録主義と聞いていましたが、現在のドイツ法は、権利行使時には使用が要件となっています。何と、中国法も、そうなっていました。

 

インターネットがなかった時代は、特許庁の登録原簿中心主義も魅力的だったかもしれませんが、今や、インターネットの情報の方が確かなような感じがします。

時代が変わったと言うべきではないかと思います。

 

アメリカの使用意思に基づく出願や英国のCTM加入で、出願段階は登録主義になりましたが、権利行使段階では使用主義になり、世界はバランスを取っているようです。