Nishinyの商標・ブランド日記

商標・ブランドの情報です。弁理士の西野吉徳のブログです。

知らなかった(マスターカード)

ロゴ変更

昨日、事務所で英語の授業がありました。最近、始まったもので、週に一度、ネイティブの先生が来て、授業をしてくれるものです。

毎回、何かしらのテーマのプリントを持ってきてくれて、それについての話になるのですが、昨日は、MasterCardのロゴ変更の話でした。

 

MasterCardは普段使わないので、あまり気にしていなかったのですが、2016年からロゴが変わっているようです。非常にシンプルなロゴになっています。

 

https://brand.mastercard.com/brandcenter-ja/more-about-our-brands.html

 

一度、マスターカードのWebサイトで見てもらえばと、思いますが、非常にシンプルです。

 

私の持っているマスターカードは(一つあったのですが)、まだ、古いロゴでした。

 

ロゴの変更のポイントは、3点で、

  • 赤とオレンジ(黄色)の2つの円の図形が、よりシンプルになっている(2つの円の重なる部分の処理が、ノコギリの歯のように処理されていたのが、色を混ぜたような処理になっている)
  • 図形の上に、MasterCardと文字があったのを外した
  • 図形の下につける文字は、mastercardと小文字になっている

です。

文字は、最近の流行りにしたがって、mastercardとすべて小文字になっているのと、2つの円の図形の下につけて使うこともあり、アイコン的に小さく使うときは、文字を外して、2つの円の図形だけにするようです。

これからは、電子決裁手段が増え、図形だけを使用するケースが増えることが、このブランド変更の理由のようです。

 

はじめ見た時は、現代的で、単純で良いと思った反面、こんな簡単な図形で商標の識別性があるのかなぁと思いました。

マスターカードぐらいの広告出稿量があれば、一挙に有名にすることはできるので、使用による顕著性の立証も簡単ではあると思いますので、登録性の点はあまり問題にはならないのかもしれません。。

 

マスターカードのWebサイトで、同社のロゴの歴史を見ていると、マスターカードのロゴは、誕生以来、数度変遷をしています。

特に、1968年と1979年のロゴは、今回の新しいロゴと基本は同じです(2つの円が交わるところをノコギリ状に処理するのではなく、色を混ぜています)。

https://brand.mastercard.com/brandcenter-ja/more-about-our-brands/brand-history.html

 

違いは文字の扱いだけです。

伝統的なロゴに戻しただけということも言えます。

 

ノコギリ状の処理にしたのが、1990年とあり2016年までですので、26年間はノコギリ状の処理でやってきたことになります。

 

スマホの画面、アイコン、ファビコン、その他、ロゴが小さく表示されることが増えますし、スマホの画像処理能力は非常に高く、色の再現なども良いので、2つの円の重なりの部分を、ノコギリ状の表現するよりも、色を混ぜた方ものに戻した方が、良いという判断なのだと思います。

 

また、MasterCardは、文字が10文字もあるので、JCBの3文字、VISAの4文字に比べて、文字数が多く、長いのが特徴です。

VISAは図形要素を排除し、VISAの文字を中心としたロゴになっていますが、マスターカードは全く違う処理の方向だなあと思います。

 

カード会社のロゴ変更は、ユーザーのカードの切り替えや、お店への掲出ロゴの変更まで考えると、3年~5年かかるロゴ変更です。一夜に看板やロゴを変える銀行とは、だいぶ違って、時間をかけてするものだと思いました。

周知のためのマス広告は、まだあまりやっていないと思います。これからなんでしょうか?