日経のやさしい経済教室の連載
2019年1月16日から1月25日まで、9回にわたって紹介されていた、日経のやさしい経済教室の記事を読みました。
内容は、
- 日本企業には、技術力、販売力、人材はあるが、マーケティングがない
- マーケティングは、リサーチ、ブランディング、商談創出
- 世界企業は、貴重な営業人材を商談に集中。商談創出は、マーケティングとインサイドセールス(電話とメールの内勤型営業)の仕事
- 商談創出は、ブランディング、展示館、セミナー、Webサイトに登録したユーザーのアクセス分析からの見込み客の抽出。電話でのニーズの確認まで
- 日本のBtoB企業で商談創出のマーケティング組織を持つのは5%未満
- 米国では、2000年からマーケティングオートメーションが普及。日本では2014年から
- 日本のBroB企業は、2~10社の得意先に依存。従来は、小さな宿題=引き合い、に迅速に答える。大口顧客を大切に。納品と、競合他社動向に関心
- ゴルフや接待は、既存顧客を守るための手法
- 見込み客を効率的に管理するマーケティングオートメーションは、2014年~2018年に3000社以上で導入。しかし、マーケティングを体系的に学んだ人材が不足
- マーケティングは、本気でやらなければ結果はでない。200億円の受注には、1600億円の商談が必要
- 展示会で収集したデータ分析、セミナーの参加者からの受注把握、Web訪問者やメルマガ登録者の商談受注をWeb管理者が知っていること
- 法律、マーケティング、テクノロジーに詳しいマーケティング担当が必要
- データを統合管理する部署が必要。ターゲット企業の課題把握や求めている情報などを蓄積
- 欧米では、CMO(最高マーケティング責任者)が、データを統合管理する部署の責任者
- 日本のBtoB企業のマーケティングは、15年遅れ
- 戦略、組織、システムが必要だが、順番は戦略が最初。経営幹部が議論する必要。次に優秀な人材で組織。最初は、外部の活用
という内容です。
コメント
商談創出は営業の仕事ではなく、マーケティングの仕事であり、それはマーケティングオートメーション(デジタルマーケティング)というシステム(ソフト)が活用されてきており、Web訪問者やメルマガ登録者から商談につなげていくことが行われているという話です。
BtoC企業では、マーケティングリサーチや、広告など、マーケティングが重視されますが、BtoB企業では、このような部分が重視されてこなかったというのは、その通りだと思います。
先日、事務所でアドビのAcrobat DCを買ってもらい、使い方の説明会に出たのですが、アンケートに答えると、電話がかかってきて(2~3回)、最後にはシステム担当を教えることになりました。システムは使っていませんが、このような活動ですね。
全く知らないインドの知財管理の会社から、メールと電話があるもの、この商談創出です。
よく、営業とマーケティングは違うという話を聞きます。
マーケティングは、リサーチに基づいて戦略を作るのが仕事なのかとぼんやり考えていましたが、広報や宣伝がマーケティング組織に入っているだけではなく、営業の組織がマーケテイング本部と言っていたりして、名前だけマーケティングという組織が多いのではないのでしょうが。
筆者のいうように、マーケティングとは、
「リサーチ、ブランディング、商談創出」の3つと云われる方が、分かりやすいように思います。特に、調査結果に基づく戦略立案など、それほど、やっていないのではないでしょうか。
戦略的思考がなく、リサーチの重要性も理解されていないところに、更にマーケティングオートメーションとなっても、すぐには機能しそうにありません。
ただ、マーケティングオートメーションのソフトの日本展開に15年かかったというのは、どういうことなのかと思います。Windowsなど、ほぼ同じ時期に発売されます。
マーケティングオートメーションは必要なものだと思いますが、マーケティングというもの自体が、日本には根付いておらず、それが2014年ぐらいになってやっと根付いてきたということなのでしょうか。