Nishinyの商標・ブランド日記

商標・ブランドの情報です。弁理士の西野吉徳のブログです。

東京五輪ボランティアの名称

「フィールドキャスト」と「シティキャスト」に決定

2019年1月29日の朝日新聞で、東京五輪のボランティアの名称が、フィールドキャストとシティキャストに決まったという記事を見ました。

  • ボランティアの応募者による投票
  • 競技大会や選手村で活動する大会ボランティア→フィールドキャスト
  • 観光客に道案内などをする都市ボランティア→シティキャスト
  • キャストは英語で配役
  • キャストは、東京ディズニーランドのスタッフの愛称。オリエンタルランドの広報は、「コメントする立場にない」
  • フィールドキャストは、ヤマトホールディングの配達員の愛称。大会スポンサーでもあるヤマトホールディングスは、「『重要な配役』という意味は同じ。光栄に思う」

コメント

名称案の投票は、次の4組についてでした。

  1. Field Cast フィールドキャスト/ City Cast  シティキャスト
  2. Games Anchor ゲームズアンカー/ City Ancor シティアンカー
  3. Games Force ゲームズフォース/ City Force シティフォース
  4. Shining Blue シャイニングブルー/ Shining Blue Tokyo シャイニングブルートウキョウ(Tokyoの部分は、自治体によって地名が変更される予定)

 

次のページに、投票結果が出ています。

東京2020大会スタッフおよび都市ボランティアのネーミング決定|東京2020大会ボランティア

  • 投票総数:37,739票
  • 得票数
    フィールドキャスト/シティキャスト         16,187票
    ゲームズアンカー/シティアンカー           5,688票
    ゲームズフォース/シティフォース           5,536票
    シャイニングブルー/シャイニングブルートウキョウ  10,328票

朝日新聞には、フィールドキャスト、シティキャストの投票数しか出ていなかったのですが、この数字を見ると、シャイニングブルー、シャイニングブルートウキョウが2番手に来ていますし、数も多いと思います。

4つ目に記載がありますが、もし、1番目に書いておくと、ボランティアの方も、組織委員会はこちらが一押しなのかと忖度して、1番になったかもしれません。(そこまでのことはない!?)

 

フィールドキャスト、シティキャストは、大会ボランティアだと分かりやすいですが、シャイニングブルーは、相当ネーミングしていますので、言葉と意味を理解すると最強です。しかし、パッと見たり聞いたりしても意味が分かりませんので、まあまあ、妥当な線ということでしょうか。

 

朝日新聞の記事は、オリエンタルランドヤマトホールディングスに取材しているところが面白いところです。

広報としては、このように回答するしかないというところでしょうか。

 

「フィールドキャスト/Field Cast」、「シティキャスト/City Cast」は、2018年12月7日に、35類と41類のサービスを指定して、商標出願されていました。TMI総合法律事務所の弁理士さんが代理をしているようです。

オリエンタルランドやディズニーは「キャスト」を商標出願していませんし、ヤマトホールディングスも「フィールドキャスト」を商標出願していないようです。

(ちなみに、ディズニーの権利は、オリエンタルランドではなく、ディズニー・エンタープライゼス・インクのものです。ディズニー・エンタープライゼス・インクの旧社名は、あの有名な、ザ・ウォルト・ディズニー・カンパニーだそうです。個人名ですが、旧社名の方が親しみがあります。)

 

組織委員会の出願ですが、二段併記なのか~と思いました。コストを抑えた、防衛出願なんものなのだと思います。

そもそも、商品やサービスではないので、商標出願不要の領域で、不測の事態を回避するためだけの出願と考えました。