Nishinyの商標・ブランド日記

商標・ブランドの情報です。弁理士の西野吉徳のブログです。

Big MacとBurger King

Big Macの不使用取消を受けたキャンペーン

欧州のBig MacのEUTMの商標権が、不使用取消の対象になり、提出された使用証拠が十分でないとして、取消されたことを受けて、スウェーデンのBurger KingがBic Macをパロディにした販促を展開して話題になっています。

 

"Not Big Mac's"という名称です。

'Like a Big Mac But Juicier': Burger King renames sandwiches to troll McDonald's | Business | The Guardian

 

メニューボードに、"Not Bic Mac's"とあり、その下に、

メニューとして、

  • "Burger Big Mac Wish It Was”「Burger Bic Macが欲しかった」
  •  “Like a Big Mac, But Actually Big”「Bic Macのようだが、実際には大きい」
  • “Big Mac-ish But Flame-Grilled of Course”「Bic Mac風だがもちろん炎で焼いています」

とあります。

 

コメント

スウェーデンのBurger Kingのキャンペーンは、ここまでやるかという感じです。

欧米人は、何でもパロディにしてしまうんだなぁと感心しました。

 

ワシントンポストによると、

EUIPOでのBic Mac商標の取消は、Macdonald'sが、小さなレストランチェーンのSupermacを訴えたことがスタートです。

 

欧州では、ダビデゴリアテという感じで、Macdonald's とSupermacの争いが紹介されていたのですが、そこに、第三の大物のBurger Kingが参入してきたところが、面白いところです。

 

記事では、Trademark bullying(商標のいじめ)という言葉が知財弁護士の言葉として紹介されてており、はじめて聞いた概念なので、どういう意味なのかなあと関心を持っています。

 

結局、Macdonald's は反撃に遭い、EUIPOに提出した使用証拠が十分でないとして、クレームの根拠とした、Big Macが取り消されたものですが、Macdonald'sはEUIPOの判断に不満があり、上訴するようです。

 

このように、Bic Macの商標の取消といっても、確定しているわけではありません。

確かに、Big Macの商標権が復活する可能性は十分あるので、このようなパロディをやるなら、今しかないということは言えます。

 

このパロディの評価ですが、マスコミは、面白いという程度の取扱いぐらいで、法的なことは、話題にすらなっていないという感じです。

このタイミングでのパロディですので、話題性のあることを上手くやっているなということでしょうか。

 

 

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