ドメイン名でスクープ
2019年3月8日に、日本航空(JAL)のリリースで、JALが国際線中距離LCCのブランドを「ZIPAIR」(ジップエア)とし、社名を「株式会社ZIPAIR Tokyo」にしたというものがあります。
国際線中長距離LCCエアライン『ZIPAIR』が誕生 | プレスリリース | JAL企業サイト
JALのサイトによると、ブランドのネーミングの由来について、
『ZIPAIR』の名称は、英語で、矢などが素早く飛ぶ様子を表した擬態語“ZIP”から生まれた造語であり、「フライトの体感時間が短い」エアラインであることを表現しています。また、“ZIP CODE”(郵便番号)が持っている「さまざまな場所に行ける」というイメージや、デジタルファイルフォーマットの“.zip”のイメージを盛り込み、「至る所に日本人らしい創意工夫をつめて、計算し尽くされた移動体験を目指す」という想いを込めました。
としています。また、社名にTokyoが入っているのは、
社名については、新しいエアラインのベースとなる地名であり、世界でも有数のカルチャー発信都市でもある「東京」を冠して『ZIPAIR Tokyo』としました。
とあります。
これについては、2019年2月26日にTraicy(トライシー)のスクープ記事が出ています。
ここでは、
JALが全額を出資の中長距離線格安航空会社(LCC)のティー・ビー・エル(T.B.L)が、1社一つしか入手できない「co.jp」のドメイン名「zipair.co.jp」を取得したことから判明したものだそうです。
ドメイン名から、ブランド名が、「ZIPAIR(ジップエア)」になる見通しであることがわかったとあります。
その他、ドメイン取得では、「zipair.jp」「zipairtokyo.jp」「zipair.net」「zipair.us」「zipair.club」は、マークアイの名義で取得しているとあります(※JALがマークアイを使っているのは昔から有名な話です)。
また、ZIPのネーミングの由来を、次のように予想していました。
zipは、「ビュッと音をたてる、元気よくやる、疾走する、勢いよく進む、迅速に動く、迅速に行動する、~に元気を与える」などの意味がある。
中世・近世ヨーロッパの地誌に現れていた東方の島国、日本のことを示す「ジパング(Zipangu)」によるものである可能性もある。
はじめに見たニュースは、この「ビューと音をたてる」云々と書いてあったと思いますので、このTraicyの記事が出典だったのかもしれません。
また、この記事では、
zipという名称はかつて、エア・カナダ傘下の簡易サービスを提供する航空会社として存在しており、2004年9月に運航を停止している。
ということも紹介しています。
コメント
最近、商標では出願公開されたものをウォッチングする人が増え、どの会社がどういうネーミングの商品・サービスに関心があるか、ニュースリリースなどの、正式な対外公開前にオープンになるケースがあります。
これは、日本だけではなく、海外でも同じ現象のようです。
商標には。意匠の秘密意匠ような、秘密商標制度というものはないため、公開を止める方法はありません。
対策をとしては、特許事務所名義や、関係する会社名義で、仮に出願しておいてもらうということ程度ですが、費用がかかる上に、予想が出来たりしますので、万全ではありません。
今回のケースでは、一社一つしか取得できない、「co.jp」のドメイン名で明らかになりました。関係ない第三者に横取りされてしまうため、秘密管理には気をつけないといけませんが、出願の方が大切です。ある程度、事前に漏れることは、仕方ないというところでしょうか。
検索していると、面白い記事がありました。「zipair.com」は、現在は、Northeast Airlinesがドメイン名の登録をしているとのことです。
JALとZIPAIRと、やがて哀しきzipair.com - やじり鳥
日本の顧客を相手にするなら、「zipair.co.jp」「zipair.jp」「zipairtokyo.jp」「zipair.net」「zipair.club」でもOKですが、海外の顧客にも使ってもらうには、やはり「.com」が良いかなという気がします。Northeast Airlinesに、譲渡をお願いすべきなのかとも思いました。
いや、日本行きであることが明確になるので、「zipair.jp」が、海外の人は一番良いかもしれません。ドメイン名に行先まで記載してあります。