2019年ランキングを発表
2019年3月28日の日経夕刊に、世界大学ランキングの日本版の記事があります。
京大が首位維持 英誌調査の日本版大学ランキング :日本経済新聞
- 英教育機関のタイムズ・ハイヤー・エデュケーション(THE)の発表
- 世界版は、研究力を重視
- 日本版調査はベネッセが協力
- 日本版は、教育力を重視
- 3度目の調査で、約330大学が参加
- 京大が1位。旧帝大が上位
とあります。
詳細は、こちらにあります。
https://japanuniversityrankings.jp/
コメント
インターブランドのブランドランキングは、グローバル版と日本版が、一応つながっており、同じような評価がされており、ただ、グローバル化の比率で日本でだけ有名であっても、グローバル版には載らないという方法になっています。
これに比べると、このTHEのランキングは、発想が根本から違います。
グローバル版は、研究力に着目しているのに対して、日本版は、教育力に着目しており、全く発想が異なります。下記が、グローバル版です。
https://japanuniversityrankings.jp/topics/00073/
藤田保険衛生大学、帝京大学、順天堂大学などが上位にいます。引用論文数が多い優秀な教員がいるためと思われます。
一方、日本版は、2019年のランキングでは、
- 京大
- 東大
- 東北大
- 九州大
- 北海道大
- 名古屋大
- 東京工業大
- 大阪大
- 筑波大
- 国際教養大
となっています。なんとなく、国立大学の偏差値ランキングのようものになっています。
このランキングですが、総合評価は、偏差値に近いのですが、中を割ると全く違ったものになります。
大きく、4つの分野(教育リソース、教育充実度、教育成果、国際性)になっており、
- 教育リソースでは、
学生一人あたりの資金(8%)
学生一人あたりの教員比率(8%)
教員一人あたりの論文数(7%)
大学合格者の学力(6%)
教員一人あたりの競争的資金* 獲得数(5%)
- 教育充実度
学生調査:教員・学生の交流、協働学習の機会(6%)
学生調査:授業・指導の充実度(6%)
学生調査:大学の推奨度(6%)
高校教員の評判調査:グローバル人材育成の重視(6%)
高校教員の評判調査:入学後の能力伸長(6%)
- 教育成果
企業人事の評判調査(8%)
研究者の評判調査(8%)
- 国際性
外国人学生比率(5%)
外国人教員比率(5%)
日本人学生の留学比率(5%)
外国語で行われている講座の比率(5%)
これらの合計100%になるように出来ています。
特に、学生、高校教員、企業の人事、研究者の意見を入れているところは、今までの偏差値だけのランキングものよりは、だいぶ進歩したランキングになっています。
例えば、
教育リソースでは、医大系が上位になり、
教育成果では、旧帝大系が上位になりますが、
教育充実度では、
が上位にきます。
また、国際性では、
が上位です。
色んな切り口で大学が評価できるのが特徴です。
充実した教育を受けたい、国際性を身につけたいときは、選択する大学が変わってくることになります。
昔であれば、大学のランキングといえば、偏差値だけでした。あっても、司法試験や国家公務員の合格者ランキング程度です。
このランキングは、これらと違うところが面白いというところでしょうか。
このランキングは、高校等で、進路を決める際に、視野を広げる意味で、活用されているようです。
https://japanuniversityrankings.jp/highschool/00008/index.html
大学の偏差値は、30数年前に自分が受験生だったころと比較すると、地方の国立大学や、私立大学では、だいぶ違っています。
親子間で、話合いをするときにも、この調査は活用ができそうです。