良くできている
2019年4月1日に、花王が、花王グループの企業行動規範である 「花王 ビジネス コンダクト ガイドライン」を改定したことを、ニュースリリースで掲載しています。
花王 | 花王グループの企業行動規範 「花王 ビジネス コンダクト ガイドライン」を改定
- 花王は、「花王 ビジネス コンダクト ガイドライン」(BCG)を改定
- 役員・社員一人ひとりが、企業理念である「花王ウェイ」を実践するための行動規範を具体的に示したもの
- 「花王ウェイ」の「基本となる価値観」の中で、創業者の「正道を歩む」という言葉
- 「正道を歩む」とは、法と倫理に則って行動し、誠実で清廉な事業活動を行なうこと。コンプライアンスの原点
- 2003年にBCGを制定して以来、改定を重ねてきた
- 今回、持続可能な開発目標(SDGs)の達成をめざして改定
具体的には、次のような内容が追加されています。
- 商品・サービスを開発・提供し、持続可能な経済成長と社会的課題の解決
- 企業活動を通じた人権の尊重
- 積極的かつ公正な企業情報を開示
- 取引先にもBCGを理解し、ともに取り組んでいただくようにはたらきかける
コメント
実際のビジネス コンダクト ガイドラインは、次です。
https://www.kao.com/content/dam/sites/kao/www-kao-com/jp/ja/corporate/about/pdf/compliance_all.pdf
最近は、行動基準(Code of Conduct、Conduct Guideline)を制定する会社も多いですが、その位置づけに悩むのではないかと思います。
各社、企業理念などがあります。ミッション・ビジョン・バリューで整理していることもあれば、家訓風の整理の仕方もあります。
その下に、全社規程もあれば、ブランドの整理もあったりします。
それに、行動基準が入ってくると、どのように位置づけたら良いのか?あるいは、社員としてもどれを大切にしたら良いのか?理解できなくなるのではないかと思います。
花王の場合は、P2で、三角形の絵で、非常に単純化して示しています。3層になっており、「花王ウェイ」が一番上、真ん中に今回の「花王ビジネス コンダクト ガイドライン」、一番下に「各分野の方針、社内規程等」と整理しています。
文書の体系は、明確になっています。
「花王ウェイ」自体が、「ミッション、ビジョン、バリュー、行動原則」の4階層に分けています。ミッション、ビジョン、バリューの整理があるので、企業ブランドの整理は、ここで十分できているということもなります。
また、行動原則で、次の階層の行動基準につなぐことが出来ます。
「花王ウェイ」だけでは、抽象的になりがちな考え方を、具体的なものとして示したのが、「花王 ビジネス コンダクト ガイドライン」となります。
そして、最後に、より具体的な、各分野の方針、社内規程があると整理されています。
通常の人であっても、最上位の「花王ウェイ」の理解は、求められます。
自分の分野の方針、社内規程等の理解は必要ですが、すべての分野の方針、社内規程等の詳細を理解することは難しいと思います。
行動基準は、各分野の方針、規程類のエッセンスとして、このレベルのことを最低限、理解しておいて欲しいという、役員や全社員に向けたナビゲーターになるのではないかと思いした。