Nishinyの商標・ブランド日記

商標・ブランドの情報です。弁理士の西野吉徳のブログです。

慶応大学の仲裁人コース

国内で英国仲裁人協会の資格が得られる

2019年4月1日の日経で、慶応大学や早稲田大学が、米国のロースクールのLLMを参考にして、国際的な法務人材を育成するコースを作っているという紹介がありました。

国際的な法務人材 育てる 慶大「仲裁人」コース新設 早大・神戸大も独自課程 :日本経済新聞

  • 慶応大学:英国の仲裁人育成機関である英国仲裁人協会と連携。修了認定を受けると、同協会の資格が得られる。1年間。授業はすべて英語。
  • 早稲田大学知財分野に限定した専門コース。国際的な特許紛争に対応できる人材の育成を目標
  • 神戸大:独禁法や租税法などを学ぶコース。オンラインで受講可能
  • 背景に、国際法務人材の教育インフラの整備が遅れている
  • 仲裁は、欧米やシンガポールが活用
  • 日本で紛争を解決するためには、世界に通じる法務人材の育成が必要

というような内容です。

 

コメント

慶応大学のこのコースは、法科大学院に併設されたコースで、対象は法曹資格のある方とあります。

法務研究科:英国仲裁人協会(CIArb)の認証コースを開設し、国際紛争解決分野で活躍するグローバル法務人材の養成を先導 - 最新情報 - 慶應義塾大学 法科大学院

科目等履修生という形式のようです。

 

この大学院では、弁理士向けに、竹中俊子教授の科目等履修生の募集もしていました。

弁理士継続研修参加希望者(科目等履修生)の募集要項 2019年度春学期 - 最新情報 - 慶應義塾大学 法科大学院

こちらは、既に始まっているようです。

 

早稲田大学のコースは、少し国内寄りの内容だと思います。

先端法学専攻 知的財産法LL.M. – 早稲田大学 大学院法学研究科

 

神戸大学のコースは、博士課程のようです。有楽町の神戸大学施設で受講可能なようです。こちらは、法曹資格が必要ですが、弁理士で特定侵害訴訟代理業務試験に合格している人は、受験資格があるようです。

トップローヤーズ・プログラム 神戸大学大学院法学研究科

 

全体に、法務人材のリカレント教育生涯学習)ということでしょうか。景気の良かったときは企業からも海外の大学に研修でいかせてもらうことが出来たと思いますが、最近は、減っているのではないかと思います。

 

慶応のコースは、リーズナブルな価格でした。

 

弁理士会の研修も、相当多岐に亘っていますので、上手く受講すれば、テーマを追求できるのかもしれません。

最近、ありがたいことなのですが、業務が多忙になり、継続研修の必須研修も受けられず、e-leaning が最後の頼みの綱になってきました。

企業で知財部門以外にいた時も、弁理士会の研修に行ける訳はなく、e-leaningだけが頼りの状態ですので、これらのコースに行くのは夢なのですが、良いなと思いました。

 

さて、慶応大学の仲裁人養成コースですが、仲裁人は、弁護士でないといけないという決まりはなく、弁理士も多く仲裁人になっています。

最近はあまり聞きませんが、ドメインネームの仲裁などはそうです。

神戸大学ではないですが、付記弁理士に限定するなど、弁理士にも門戸を開いてもらえないかと思いました。

 

慶応大学出身の弁理士も多数おられると思うので、リカレント教育という趣旨では、付記弁理士でも問題なさそうですが、知財に重きを置いていないということなんでしょうか?