「好きなブランド」と「好きな理由」
2019年4月23日の宣伝会議のAdverTimes(アドタイ)で、ブランド生態調査の記事を見ました。
1位はディズニー、「ブランド生態調査」の結果が発表に #宣伝会議 | AdverTimes(アドタイ) by 宣伝会議
片平先生が代表の丸の内ブランドフォーラムが、日本マーケティング協会の協力のもと、東京大学と大阪大学と共同で、首都圏、関西圏で調査したようです。
詳細は調査票などは、見れなかったのですが、記事には次の記載があります。
- 18歳以上の男女7,410人
- 首都圏、4459名
- 関西圏、2,951名
- アンケート形式
- 提示した複数の領域で、好きなブランドを純粋想起で聞く
- また、好きな理由も自己記入
- ブランド生態スコア、ブランド・キーワード、ブランド親近度、を算出
結果は、
となっています。消費者と接点を持つブランドが上位に挙がっているとのことです。
この調査は、頭の中に好きなブランドとして刻印されているかを測るための調査で、純粋想起であることと、方法論と計算式がシンプルであることが特徴としています。
「夢」というキーワードではディズニーが、「シンプル」というキーワードでは無印良品がという結果に
他のブランドとの相関関係について、例えば、スタバとドトールのファンの比較もあり、
- スタバのファンは若い女性や20~30代で、キーワードは「おしゃれ」「ステータス」「新作」「期間限定」「カスタマイズ」
- ドトールのファンは、男性、40代以上、会社員、世帯年収は1000万円以上、キーワードは「落ち着く」「気軽」「居心地が良い」
- スタバのファンは、ライザップが好き
- ドトールのファンはヨドバシカメラのファン。リアリストで合理主義、流行より定番
競合他社とのキーワード分析、提携先を決める際に有用とのことです。
日経クロストレンドに関連記事があり、少し別の紹介があります。
メルセデス好きはダイソンも好き 東大などが新手のブランド調査:日経クロストレンド
- 調査では、1万9000個の固有名詞
- 住まい、クルマ・交通など4つの領域を必須回答、さらにファッション、家電・通信など7ルの領域を組み合わせて質問
- 1万人あたりで、純粋想起した人が何人かをスコア化
- ディズニーは、2390(人相当)
- イオンは、1886
- ユニクロは、1770
- Panasonicは、1741
- Amazonは、1628
- 10位以下には、TOTO、ニトリ、iPhone、無印良品、ソニー、スターバックス、Honda、dyson、ららぽーと、セブンイレブン(598)
- メルセデス好きは、ダイソン好き
などです。
コメント
一般人に確認しているので、どうしても、BtoC領域になります。
純粋想起というのは、ブランドの強さを測る上では、シンプルで、良い方法だとも思います。
ブランド価値を金銭評価して、ランキングするインターブランドとは対極の評価方法です。
結果をみて、インターブランドランキングで上位に来る、ソニー、任天堂や、消費者に身近な携帯キャリアのドコモ、ソフトバンクが10位にランクインしていないんだなというのが感想です。
ゲームや携帯キャリアという領域は、質問の対象外だったのでしょうか?
片平先生が、比較に使っている、スタバーックスやドトールも、上位10位には入っていません。
双方、比較ができる程度のボリュームの回答者はいるのだと思いますので、ベストテンにランクインしているかどうかは、あまり重要ではないのだろうと思います。
そうすると、大体、どの程度の件数のブランドが、あがっているのか気になります。
日経クロスメディアによると、1万9000個のブランドとありますので、割とわれています。200~300名程度が回答してくれているブランドであれば、有用なデータになるのではないでしょうか。
今後、毎年、この調査をやるとありますが、調査の結果をどう活用していくのかなと思います。
もう一つ、東阪のデータですが、大阪大学が協力しているためでしょうか。関西地区が多いように思います。人口比で見ると、首都圏の方を増やした方が良いのではないかと思いました。