4割弱の筆頭株主に
2019年5月11日の日経新聞で、コクヨがファンドを通じて、ぺんてるの筆頭株主になったという記事を読みました。
コクヨ、ぺんてるへの4割出資を発表 海外開拓狙う :日本経済新聞
- 2018年、創業家がファンドに株売却
- 37%の株式を持つファンドを通じて、コクヨが間接的に株保有へ
- 出資額は、101億円
- コクヨは国内に軸足、ぺんてるは積極的に海外進出
- コクヨの文具売上の海外比率は2割
- ぺんてるは6割で、海外に20か所の営業拠点。ぺんてるの海外販路の活用など業務提携を検討
- ノートが主力のコクヨと、ぺんてるは製品の重複が少ない
とあります。
コメント
コクヨのニュースリリースを見ていると、ぺんてるに気を使った文章になっています。水面下での積極もなかったのかもしれません。
https://ssl4.eir-parts.net/doc/7984/tdnet/1702507/00.pdf
コクヨのリリースでは、ぺんてるの商品が、紹介されていました。
- エナージェル
- オレンズ
- サインペン
エナージェルはジェルのボールペン、オレンズは0.2mmの折れないシャーペンの芯、サインペンは文字通りサインペンです。
サインペンは、ぺんてるのWebサイトでは一番TOPに記載されているので、どうも同社の看板商品のようです。
Webサイトを見ていると、他に、特徴的な製品は、修正液(ホワイトと呼んでいるものです)、筆ペンがあります。
個人的につかっている、シャープペンシルは、ぺんてるのスマッシュ(SMASH)とシュタイン(STEIN)でした。いい製品だと思います。
筆頭株主といっても、37%程度ですので、子会社にはなりませんし、ぺんてるの経営は独自に進めるのだと思います。
ぺんてるの海外ルートの活用などの協業ができればよいのですが、ぺんてるの海外事業にいる人たちは、ぺんてるの商品が好きで、ぺんてるの商材にほれ込んで、集まった人達だと思いますので、実は海外販路の活用など簡単なことではないと思います。
これは、資本が50%を超え、子会社になったとしても、商流を活用するのは簡単なことではありません。
一方で、この程度の出資があれば、デサントと伊藤忠ではないですが、コクヨの意向を無視した経営はできません。ぺんてるの経営者は、コクヨとのWinWinを考えないといけないので、そこは割り切る必要がでてきそうです。
反対に、仮に、コクヨの出資比率が、50%を超えても、ぺんてるブランドは残した方が良いと思います。
ぺんてるの商品ラインナップは、高級文具ではありませんが、それでも、文具などは、趣味的な商品ですので、ブランドが重要です。コクヨブランドにすると、売上減になるように思います。
50%にもなっていないので、カルソニックカンセイ・マレリの件とは、そもそも違いますが、ブランド統一とは、まったく異なる運用が必要なように思いました。