Nishinyの商標・ブランド日記

商標・ブランドの情報です。弁理士の西野吉徳のブログです。

コクヨがぺんてるに出資

4割弱の筆頭株主

2019年5月11日の日経新聞で、コクヨがファンドを通じて、ぺんてる筆頭株主になったという記事を読みました。

コクヨ、ぺんてるへの4割出資を発表 海外開拓狙う :日本経済新聞

とあります。

 

コメント

コクヨニュースリリースを見ていると、ぺんてるに気を使った文章になっています。水面下での積極もなかったのかもしれません。

https://ssl4.eir-parts.net/doc/7984/tdnet/1702507/00.pdf

 

コクヨのリリースでは、ぺんてるの商品が、紹介されていました。

  • エナージェル
  • オレンズ
  • サインペン

エナージェルはジェルのボールペン、オレンズは0.2mmの折れないシャーペンの芯、サインペンは文字通りサインペンです。

 

サインペンは、ぺんてるのWebサイトでは一番TOPに記載されているので、どうも同社の看板商品のようです。

商品紹介|ぺんてる株式会社

 

Webサイトを見ていると、他に、特徴的な製品は、修正液(ホワイトと呼んでいるものです)、筆ペンがあります。

個人的につかっている、シャープペンシルは、ぺんてるのスマッシュ(SMASH)とシュタイン(STEIN)でした。いい製品だと思います。

 

筆頭株主といっても、37%程度ですので、子会社にはなりませんし、ぺんてるの経営は独自に進めるのだと思います。

 

ぺんてるの海外ルートの活用などの協業ができればよいのですが、ぺんてるの海外事業にいる人たちは、ぺんてるの商品が好きで、ぺんてるの商材にほれ込んで、集まった人達だと思いますので、実は海外販路の活用など簡単なことではないと思います。

 

これは、資本が50%を超え、子会社になったとしても、商流を活用するのは簡単なことではありません。

 

一方で、この程度の出資があれば、デサント伊藤忠ではないですが、コクヨの意向を無視した経営はできません。ぺんてるの経営者は、コクヨとのWinWinを考えないといけないので、そこは割り切る必要がでてきそうです。

 

反対に、仮に、コクヨの出資比率が、50%を超えても、ぺんてるブランドは残した方が良いと思います。

ぺんてるの商品ラインナップは、高級文具ではありませんが、それでも、文具などは、趣味的な商品ですので、ブランドが重要です。コクヨブランドにすると、売上減になるように思います。

 

50%にもなっていないので、カルソニックカンセイ・マレリの件とは、そもそも違いますが、ブランド統一とは、まったく異なる運用が必要なように思いました。