Nishinyの商標・ブランド日記

商標・ブランドの情報です。弁理士の西野吉徳のブログです。

姓名の順番

どっちにするか

最近、氏名をローマ字表記する場合、姓名の順番にすべきであるという話が良くでています。

【主張】姓名ローマ字表記 首相官邸から範を垂れよ - 産経ニュース

 

安倍晋三を例に、Sinzo Abeではなく、Abe Sinzoと記載するということだと説明されています。

 

5月21日に、外務大臣文部科学大臣が、姓名の順番にしようと発言して、官房長官が打消しをしているという構図です。

 

中国や韓国など、近隣の国はローマ字表記でも姓名の順であり、日本の文化を大切にするためにも、外国から独自の文化をもっていると認められるためにも、本来の姓名にすべきということのようです。

 

すでに、2000年の国語審議会で、ローマ字表記も、姓名にしようという答申があったのに、その動きが進んでいないようです。

 

10年ぐらい前に見た、子供の中学校の英語の教科書は、日本人の姓名は、「Abe Shinzo」の順番に表記することとなっていました。

私が、昔、教わったことと、違います。

 

まだまだ、ローマ字表記するときは、「Shinzo Abe」の名姓のタイプに慣れていますが、どうしようなかと思います。

 

だんだん、国際社会で、中国や韓国の存在感がましてきて、姓名の順番でも自然と考えられるようになっているので、あえて、欧米に合わせる日本人のやり方が、日和見的に見える感じはします。

 

Webioの英会話コラムに、この問題の、実務的な対処の方法が、複数紹介されていました。

英語で自分の名前を書く場合に知っておくべき書き方の基本 | Weblio英会話コラム(英語での言い方・英語表現)

 

知らなったのですが、英語でも学術論文は、姓名の順番だそうです。

ただし、Abe, Shinzoのようにカンマが入るようです。

 

また、姓の後にカンマを入れる方法、

Abe, Shinzo

更に、姓を大文字で書く方法と、

ABE, Shinzo

と、分かりやすくする方法が色々とあるようです。確かにここまですると良く分かります。

 

ただ、このコラムでは、まだ、通常は、欧米流に名姓の順番で記載しておいた方が無難というまとめをしています。

 

国語審議会の答申が出て、20年も経っているのに、まだ、定説がないという、時間軸の長い話です。

 

現在は、年配者は名姓で書いていますが、学校で姓名と記載することを学んだ若い人には姓名も多くなっているだろうと思います。

 

外務大臣文部科学大臣の話は、方向性は決まっているのであるから、進めようという話ですが、

官房長官は、もう少し慎重にと、バランスを取っている感じです。

 

パスポートなど、もともと姓名の順番で、印刷がされており、署名欄は印鑑と同様に同一性が確認できれば何でもよいものです。漢字でもローマ字でも、姓名でも名姓でも、問題ありません。

 

署名は、筆記体で書くなら、「Abe Shinzo」とCap&Lowで書くとすらすら書けますが、「ABE」を筆記体でスラスラ書くことはできません。

筆記体なら、「Abe, Shizo」が良いところです。しかし、筆記体の署名にカンマは違和感があります。

 

若い人は、筆記体自体を教わりませんし、使わないので、署名も、ブロック体でするのではないかと思います。そうなると、姓名の順番で、「ABE, Shinzo」で解決するのかもしれません。

 

さて、そこまで気を遣わず、「Abe Shinzo」タイプで、筆記体でも、ブロック体でも、書けば良いのでしょうが、どうしようかなと思います。