最短5年で卒業、在学中に受験可能
2019年6月20日の日経に、法科大学院改革の記事がありました。
法曹コース 5年で修了 法科大学院改正法成立 資格取得、最短8年から6年に :日本経済新聞
- 法学部・法科大学院を計5年で修了できる「法曹コース」創設
- 司法修習の1年を入れて、最短で、従来8年かかったものが6年になる
- 法曹コースは、2020年度から
- 3年で学部を卒業。法科大学院の法学既修者コース(2年)に入学
- 法科大学院修了見込みで司法試験を受けることができる
- 地方大の法学部と都市部の法科大学で連携の動き
- 法科大学院は、ピークの74校が、35校に
- 予備試験(法科大学院を経ない)が最短コースとして人気
- 法曹コースを順調に進めば、法曹資格を得るための期間は、大学4年で予備試験に合格した場合と同じ
という内容です。
コメント
日経の図をみたら良く分かるのですが、大学を3年で卒業できる繰り上げ卒業と、法科大学院の2年生で司法試験を受けられるという点で、2年間早くなっています。
どの大学のどの文科系学部でも同じですが、まじめに大学に通っている人は、3年生で科目は終了していて、ゼミだけだったりします。(普通の大学生は、3年夏から4年夏は、終活をしています。)
非常に優秀で、予備試験に合格して、司法試験にバスする人もいるのでしょうが、普通は、この新設のコースになるのかなぁという気はします。
ただ、記事で、大学教授が言っているのですが、法学未修コースがかすむだろうなという気はします。法律論には詳しくても、技術にも詳しい弁護士を生むという本来の司法試験改革の意図は減ることになります。
技術系の弁理士などが受けていた、夜間の法科大学院もほとんどないように聞きます。
法曹専攻<法科大学院> | 受験をお考えの方へ | 筑波大学 東京キャンパス社会人大学院
30代なら、ここは魅力的ですね。
もし、夜間大学院に行くなら、引越しをして、茗荷谷(筑波大学の東京キャンパス)の近くにワンルームマンションでも借りて勉強しないと、仕事と勉強と健康の両立ができそうにありません。
私個人は、50代ですので、もういいかという感じです。
最近、マスコミも、知財問題でも、弁理士ではなく、弁護士に質問をすることが多くなり、弁理士がかすんでいます。一人一人の弁理士は力があるし、弁理士会も力があるのに、全体として地位が低下しているのが、理科系出身の弁護士が減ることで何とか維持されるかもしれませんが、微妙な話です。
外国特許や、外国商標の、NGBやマークアイやGMOブライツコンサルティングを見ていてわかるように、本当は、資格なんてなくても、力さえあれば、企業からの依頼は来ます。
先日、あった、依然の会社の後輩が、海外の複数国で法律事務所のパートナーのようなことをしているのですが、法曹資格も弁理士資格もないようでした。
日本も、それで良いのかもしれないという気がしますが、そんなことを言うと、弁理士会から怒られそうです。
10数年前の司法試験改革は、弁理士法改正にも大きな影響がありました。
あのとき、弁理士会内部で、商標出願を行政書士にという話があったように記憶しています。弁理士の訴訟代理権を取るためには、商標を切り捨て、行政書士会とタイアップして、訴訟代理権に応援してもらうという話だったと理解しています。
行政書士会とタイアップしても、知財の訴訟代理権を取れたかは不明です。
当時は乱暴な意見だなと思いましたし、商標出願を守るべきと思いました。
しかし、あれから10数年経ちましたが、次に同じような問題が出てきたときに、商標弁理士として、どのような答えを容易できているかは疑問だなあという気がします。