TOEICの離脱
2019年7月2日の日経に、大学入学共通テストから、TOEICが離脱したという記事がありました。
大学入学共通テスト、制度設計に甘さ TOEIC離脱 :日本経済新聞
- 大学入学共通テストに採用される英語民間試験に、TOEICが参加を取りやめ
- 受験から成績提供までの日程など、センター側の要望に対応できないと判断
- 当初は、提示されていなかった条件が出てきた
- TOEICは共通テストに参加する8試験の中で唯一、「聞く・読む」(L&R)と「話す・書く」(S&W)の試験を別々に実施
- 試験日や結果提供の時期も異なる。TOEIC側は運営システムの大幅な変更が必要
- 変更は、年間約120万人が受験するTOEICの運営全体に大きな支障が出る可能性
- 一部の学生には早めに成績を提供しなくてはならず、TOEICでは困難
- 試験日程が他国と共通で、同協会の一存では決められないことも足かせ
- 協会は「当初は2つの試験の成績を足してセンターに提供すれば問題ないと考えていた」
- 一方でセンターは「当初から一体運用を求めていた」
- 意思疎通の甘さ
- 全生徒の1.8%(のべ約2万3千人)がTOEICを受験すると回答
- ビジネスを意識した試験内容で、商業高校の生徒らが受けようとしていた例が多い
- 全国商業高等学校長協会の担当者は「TOEICでいい成績を収めようと努力してきた生徒らは勉強方針を変える必要があり、教師も対応が迫られる」
コメント
危険察知、危機管理の事例だなと思いました。
大学入学共通テストの事務局の提示した条件が当初の説明と違ってきて、TOEIC側が参加は無理と断念したようです。
どちらに非があるかは、良く分かりませんが、TOEICが利用できないとなると、困る人もいると思います。
記事では、TOEICは商業高校の生徒が多いとあります。しかし、大学生になり、会社に入るときも、TOEICの成績が一番わかりやすいので、大学生は、TOEICを受けています。
将来、大学生になったら、TOEICを受けないといけないので、高校生の内かTOEICを受けるのは、非常に素直な選択であり、何も商業高校の生徒に限ったものではないと思います。
TOEICだけが、4技能の試験を一度に行っておらず、Listening & Reading テストと、Speaking & Writingテストに分かれているとあります。
確かに、これが何かの足かせになりそうです。
先週の土曜日に、はじめて、TOEICのSpeaking & Writingのテストに参加しました。IPテストですが、IIBCの赤坂見附の会場での受験です。
Speakingは20分。Writingは60分のテストです。合計80分です。各々、200点満点でスコアがでるようです。
Speakingは、コンピュータの前で、ヘッドセットを付けて行うのですが、あっという間に終わってしまいました。こちらは、準備不足が露呈しました。後で、自分の録音した音声を聞いて、もう少し大きな声で話すべきだったとか、メリハリが必要だとか思いました。考えがまとまらずに、あーうーと言っていたりして、聞けたものではありませんでした。
Writingは、最後の30分で意見を書くテストで、英単語で300字書くように指示があるのですが、まったく、時間がありません。10分たっても、まだ、70字程度でした。何とか300字を無理から書きましたがた、内容の薄い300字になりました。30分で300字は、大変だなと思いました。
Listeningは、45分。Readingが、75分。4つのテストを全部を一度にやると、200分で、3時間20分。途中、お昼の休憩でも入れて、午前と午後でやらないと、ぶっ通しではできそうにありません。
大学入学テストとしては、一番年頭にあるのは、TOEFLなのだと思います。こちらも、同じぐらいの時間をかけているようです。TOEFLの方が、少し、リスニングの時間が長いぐらいで、休憩が10分あるようです。
これは大変です。時間のない社会人には、セットでの受験は、無理かもしれません。
そもそも、TOEFLとTOEICも同じ、ETSのサービスですので、似ています。使う単語や話題が違うだけで、英語自体に違いがあるわけではありません。
大学の英語の先生は、TOEICやTOEFLのようなテストが普及すると、試験問題を作る仕事がなくなるので、死活問題です。そのため、反対されるのだろうと思います。
しかし、これは、世の中の流れとしては、仕方ないように思います。