Nishinyの商標・ブランド日記

商標・ブランドの情報です。弁理士の西野吉徳のブログです。

IBMとRed Hatの広告

典型的なダブルブランドだが

2019年7月23日の日経に、青と赤1ページの、IBMRed Hatの広告がありました。

1ページを左右に分け、左側半分に青色がべた塗され、右側半分に赤色がべた塗されています。それぞれの色の上部に直径9cmの白抜きのマルがあり、青色部分の白マルにIBMロゴが、赤色部分の白マルにRed Hatロゴがあります。

 

コピーは、紙面の真ん中少し下に、青色のIBMの領域にはsamart is open.とあり、赤色のRed Hatの領域にはopen is smartとあります。

 

広告の現物は、どこかで見てください。

 

IBMは分かりますが、Red Hatを知らなかったので、何の会社かなぁと思いました。Wikipediaで調べると、オープンソースソフトウェアを利用したビジネスを展開している会社とあります。ソフトウェアライセンス料は無料、ソフトウェアのアップデート・アップグレード・保守サポートなどを一体化したサブスクリプション(年間契約費)で販売する事業モデルである、とあります。

レッドハット - Wikipedia

だから、キャッチコピーで、openとあるのかとやっとわかりました。

 

どうも、最近、Red HatIBMに3.8兆円で買収されたようで、2019年7月9日に買収が完了したようです。

IBM ニュースルーム - 2019-07-09 IBM、Red Hatを340億ドルで買収完了 - Japan

ただし、今後も、Red Hatの経営の独立性は維持されて、

 

Red Hatオープンソースへの確固たるコミットメントは変わりません

 

とあります。旧経営陣も残るようです。

 

どうも、このダブルブランドの広告は、①買収が完了したことのお披露目と、⓶2つの会社は別ブランドであり経営は独立していることを、示しているようです。

 

分かる人には、分かるんでしょうが、ソフトウェアの業界にいない人には、ちょっと難しい広告です。

門外漢には、Red Hatという会社があって、IBMと組むんだな程度しか分かりませんが、それでも良いのかもしれません。

 

さて、注目したのは、細かいところです。

IBMのロゴにⓇがあります。以前は、アメリカの会社は、Ⓡを多用していましたが、最近は、Ⓡをあまり表示していないのではないかと思っていました

IBMのWebサイトのヘッダーには、Ⓡがないようです。

 

それと、読めないぐらい小さいのですが、脚注です。

IBMIBMロゴ、ibm.com、およびLet's put smart to workは世界の多くの国で登録されたInternational Business Machines Corporatioionの商標です。現時でのIBMの商標リストについては、www.ibm.com/trademark(US)をご覧ください。Red HatおよびRed Hatのロゴは、世界中の国で登録されたRed Hat, Incの商標です。その他の製品名およびサービス名は、IBMまたは各社の商標である場合があります。

そして、🄫international Business Machine Corp.2019.とあります。

Boiler Plateのようなものですが、ibm.comが商標なのか?という点、Let's put smart to workというスローガンのようなものは商標なんだという点、が面白いと思いました。

 

Let's put smart to workを検索するとIBMのページがTOPに検索されました。

IBM - Let's put smart to work.

英語版のページにある、動画を見ると、動画の最後に出てくるIBMロゴには、Ⓡがあります。Ⓡの使分けをどうやっているのかなぁというのが、感想です。