Nishinyの商標・ブランド日記

商標・ブランドの情報です。弁理士の西野吉徳のブログです。

ローマ字の歴史

日本語を学ぶ外国人が考案

2019年7月29日の朝日新聞に、ローマ字の歴史の記事が出ていました。

  • ローマ字とは、ローマ人の使ったラテン語に由来するアルファベット
  • パソコン入力でも活用
  • 戦国時代の宣教師が、当時の日本語を学ぶために、平家物語やイソップ(伊曽保)物語の読本を作った
  • はじめは、ポルトガル語式のつづりで表記
  • 江戸時代には、オランダ語式のローマ字
  • その後、ドイツ語式やフランス語式
  • 現代は英語式のヘボン式に(1886年
  • ヘボン式で、福島はFukushimaだが、そのまま英語風に発音すると、唇をかむ「f」の発音に
  • 規則的に五十音を示すために、訓令式が考案された(1937年)

コメント

記事には、他に、明治期や戦後の日本語のローマ字化についての運動が説明されています。

西周、外山正一東大総長、GHQ梅棹忠夫などが、ローマ字を推進しようとしていたとあります。

 

仕事では、商標の外国出願をするときに、社名や氏名をヘボン式で表記したものを目にすることが多いですが、時々間違えてしまうのが、

「Kabushiki Kaisha

「Kabushiki Kaisya

 

です。

「sha」が、ヘボン式で、

「sya」が、訓令式です。

 

ローマ字表記としては、どちらもあります。パソコンでローマ字入力するときも、「sha」「sya」でも、どちらでも「しゃ」と出てきます。

 

「株式会社」の英語表記ですが、

昔は、海外向けには「Kabushiki Kaisha」と表記していた会社も、最近は、「Co., Ltd.」「Inc.」などにしているケースが多いようです。

しかし、中には、まだ、「Kabushiki Kaisha」を正式表記にしている会社もありますし、古い会社の香港の商標出願などでは、データベースに、昔の「Kabushiki Kaisha」が残っており、出願人の主体の同一性のためでしょうか、「Corporation」で出願依頼しても、Kabushiki Kaishaも同時に記載されたりします。

 

「株式会社」のローマ字表記は、通常は、ヘボン式で、「Kabushiki Kaisha」のようです。(法務省日本語法令外国語データベース)

株式会社 (日本) - Wikipedia

 

問題は、

パソコンキーボードでローマ字を入力するときに、どうも、癖で「しゃ」を訓令式で入力しているようであり、「Kabushiki Kaisya」とやってしまうことです。

 

訓令式は、戦前戦後を通じて、国語的には正式表記のようですが、GHQヘボン式を採用したため、ヘボン式が採用されているものが多いそうです。

パソコンのローマ字入力を覚えるタイミングで、ヘボン式でやっておかないと、こんなところで、ミスになってしまいます。

 

小中学校の国語の教科書は訓令式、ビジネスはヘボン式というのは、どうも良くないように思います。

それなら、小中学校のときに、ヘボン式で教えてもらいたかったような気もします。

 

ちなみに、福島や福井は、FUKUSHIMA、FUKUIとヘボン式で記載するようです。地名や人名でも、訓令式は、分が悪いように思います。

 

 

 

ヘボン式ローマ字綴方表

訓令式