書籍・曲・映画のタイトル、商品名の長文化
2019年8月16日の朝日新聞の夕刊の一面に、
本もドラマもポテチもタイトルが長くなって
「舞姫」は「バンカラ」で「ボコボコ」で、「アマゾン」と「ウーバー」で「発狂」って?
言葉から日本の変化を考えてみた
という超ロングな見出しの記事がありました。
例示があり、
- 舞姫の文学史本のタイトル:もともと「明治大正の娯楽小説 忘れられ黄金時代」→「『舞姫』の主人公をバンカラとアフリカ人がボコボコにする最高の小説の世界が明治に存在したので20万字くらいかけて紹介する本」
- 翻訳本のタイトル:英語の原題「HIRED」→翻訳書「アマゾンの倉庫で絶望し、ウーバーの車で発狂した」
- 2009年の「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」が大ヒット
- タイトルを親しみやすく、口語化
- AKB48の曲も「鈴懸の木の道で『君の微笑みを夢に見る』と言ってしまったら僕たちの関係はどう変わってしまうのか、僕なりに何日か考えた上でのやや気恥ずかしい結論のようなもの」(76文字)、公式略称は「鈴懸なんちゃら」
- 映画でも「RANMARU 神の舌を持つ男 酒造若旦那開始事件の影に潜むテキサス男とボヘミアンお上、そして美人村医者を追い詰める謎のかごめかごめ老婆分断と三賢者の村の呪いに・・・<中略>蘭丸は二度死ぬ。鬼灯デスロード編」(13位文字)
- 商品では、ロッテの「SWEETS SQUARE 白くてふわっふわクリーミィにとけゆくフロマージュアイス」
- セブンプレミアムの「まるで完熟マンゴーを冷凍したような食感のアイスバー」
- 理由として、SNSの短文になれている
- 説明過剰社会。難解なことが敬遠される
とあります。
コメント
夕刊ですが、この記事が1面トップというのは、この日は、大きなニュースがなかったのかなぁという気がします。平和でいいなという感じです。
それはさておき、テレビのサスペンスの題名が長くなって、題名を読むだけでストーリーまで推測できるようなっていましたが、一般書籍までそうなってきたということでしょうか。
確かに、書店で見てもらい、買ってもらうためには、タイトルだけでは弱いので、帯があり、そこには多面的な紹介がされています。
どうせ、帯に書いてある情報なので、タイトルにしてしまえというのは、分からなくはありません。
昔のコンピュータは、文字制限がありました。以前、勤務していた会社では、昔は、社名は22文字以内というルールがあったのですが、この理由はコンピュータの社名の欄が22文字だったからです。今は、そんな制限もなくなっています。
しかし、あまり長いとエクセル表に表示しても、切れてしまうので、そんなに長いくて良いのかなぁという気はします。
商品名でも、良いネーミングとは、短くて覚えやすいもの(読みやすい、聞きやすい、覚えやすい)ですので、あまり長いものは、そもそも、記憶する対象ではありません。
ロッテの「SWEETS SQUARE 白くてふわっふわクリーミィにとけゆくフロマージュアイス」は、「SWEETS SQUARE」の部分は、十分、商標的ですので、ここまでは良いとして、そのサブとして「白くてふわっふわクリーミィにとけゆくフロマージュアイス」は、内容を記述的に説明しただけのようなものです。
セブンプレミアムの「まるで完熟マンゴーを冷凍したような食感のアイスバー」は、セブンプレミアムというブランド・商標があり、その下位の説明として、「まるで完熟マンゴーを冷凍したような食感のアイスバー」があります。
説明的といえば説明的ですが、商品名(商標)といえば、商品名(商標)とも言えます。特徴的な商品名をつけるとサブブランドでも、商標調査や商標出願が必要になるので、そのコストを削減するいい方法であると言えば、言えるかもしれません。