Nishinyの商標・ブランド日記

商標・ブランドの情報です。弁理士の西野吉徳のブログです。

暗号資産 リブラ(Libra)

まずは勉強

2019年8月17日の朝日新聞FaceBookが中心となって進めている、リブラの解説記事がありました。

  • スイスのジュネーブにリブラ協会。同協会がリブラを発行
  • ブロックチェーン技術を採用。取引履歴を記録し、データ間違いがないかチェック
  • 利用者は、スマホのアプリでリブラを使う。コンビニで現金と交換。現金にも戻せる
  • FBのメッセンジャーやワッツアップで送金できる
  • ビットコインと違い価格が乱高下しない。ドル、円などと連動
  • 利用できる範囲が最初から広い。ビザやマスターも参加予定
  • 米国政府、日本政府、中央銀行は、犯罪組織に悪用されないか心配
  • 現在は、金融規制は、銀行口座を特定して、止めている
  • FBは、個人情報流出で、プライバシー保護の甘さが指摘されている
  • マーク・ザッカーバーグは、規制当局のすべての懸念に対処すると話す
  • 各国政府、中央銀行は、しっかり議論してこなかった

とあります。

 

2019年8月25日の産経新聞電子版にも、解説が出ています。

【日本の議論】リブラは世界を変えるか 「国際送金など利点」「普及にハードル」 - 産経ニュース

  • リブラは、銀行口座をもたない新興国の人に金融サービスを提供できるメリット
  • マネーロンダリング等の問題は、ビットコインが出てきたときからわかっていた
  • リブラには、27億人のユーザーがいるが、規制をクリアするのは簡単ではないだろう
  • ビットコインは、価格があがる点で人気に。しかし、リブラは価格を安定させながら、利用拡大するという二律背反する難しいことを狙ってる
  • ケニアでは「エムペサ」という政府が行っている電子決済サービスもある

というような内容です。

 

コメント

ビットコインよりは安定しており、大手が参加する可能性があるので、従来の通貨の代替になりうるものとして、各国政府などが、懸念を表明しているということのようです。

 

「リブラ」は仮想通貨ですが、お金は商品ではないので、商標法上の商品ではないという考え方が、古いオーソドックスな考え方でした。

ただ、「ビットコイン」などは、35類や36類で、一応は登録を取っているようです。

 

一方、リブラですが、2000年頃の三井住友アセットマネジメント株式会社 の「リブラ/Libra」の登録があります。これは、2000年ですので、今回の話とは無関係に登録を取っていたものだと思われます。

2018年に数件、「LIBRA」「リブラ」の出願が36類でされていますが、どれがリブラ協会のものかは不明です。ベストライセンスも出願しています。

ややこしいですね。

 

お金は商品交換の手段であって商品でないというように、商品だけのときは言えるように思いますが、サービスになると難しいのかもしれません。

先願ではないのですが、次のアメリカの会社の出願が一番「リブラ」っぽい、指定役務です(商願2019-96427)

「金融又は財務に関する役務,金融又は財務取引,財務管理・金融又は財務に関する計画の立案・金融又は財務に関する予測・金融ポートフォリオの管理・金融又は財務に関する分析及び助言(金融業務),電子的手段による金融又は財務に関する情報の提供,ブローカリッジサービス,ディーラーサービス,デジタル通貨,暗号通貨,仮想通貨,デジタル通貨ウォレット及びストレージサービス,グローバルコンピュータネットワークを通して行う電子的銀行業務,為替取引,支払い処理の代行,デジタル通貨・仮想通貨・暗号通貨・デジタル及びブロックチェーンアセット・デジタル化されたアセット・デジタルトークン・暗号トークン及びユーティリティトークンの取引,他人のためのデジタル通貨・仮想通貨・暗号通貨・デジタル及びブロックチェーンアセット・デジタル化されたアセット・デジタルトークン・暗号トークン及びユーティリティトークンの処理,電子的な現金同等物の移転の促進,デジタル通貨・仮想通貨・暗号通貨・デジタル及びブロックチェーンアセット・デジタル化されたアセット・デジタルトークン・暗号トークン及びユーティリティトークンの格付けの性質を有する金融又は財務に関する情報の提供,デジタル通貨・仮想通貨・暗号通貨・デジタル及びブロックチェーンアセット・デジタル化されたアセット・デジタルトークン・暗号トークン及びユーティリティトークンの市場の分野における金融又は財務に関する情報の提供,金融又は財務に関するニュースの分野におけるニュースレポーターによる取材・報告,グローバルコンピュータネットワークを介したオンラインコミュニティのメンバーによる利用のための仮想通貨サービスの提供(金融又は財務に関する役務),前払式支払手段の発行,デジタル通貨・仮想通貨・暗号通貨・デジタル及びブロックチェーンアセット・デジタル化されたアセット・デジタルトークン・暗号トークン及びユーティリティトークンの管理,デジタル通貨・仮想通貨・暗号通貨・デジタル及びブロックチェーンアセット・デジタル化されたアセット・デジタルトークン・暗号トークン及びユーティリティトークンの取引のための金融取引(金融又は財務に関する役務),暗号通貨の取引,暗号通貨の交換,暗号通貨の支払い処理の代行,電子上の支払代金の決済,電子ウォレットサービスを介した支払代金の電子決済,通貨の管理,送金事務の取扱い,デジタル通貨・仮想通貨・暗号通貨・デジタル及びブロックチェーンアセット・デジタル化されたアセット・デジタルトークン・暗号トークン及びユーティリティトークンの電子的送金(金融又は財務に関する役務),デジタル通貨・仮想通貨・暗号通貨・デジタル及びブロックチェーンアセット・デジタル化されたアセット・デジタルトークン・暗号トークン及びユーティリティトークンの分野における金融又は財務に関する助言,電子的送金の電子的な処理及び追跡,両替,投資の管理,デジタルアセットに関する投資ポートフォリオの管理,金融機関及び財政資金のための管理,デジタル通貨・仮想通貨・暗号通貨・デジタル及びブロックチェーンアセット・デジタル化されたアセット・デジタルトークン・暗号トークン及びユーティリティトークンに関するスワップ及び金融派生商品のリスティング及び取引,金融取引の決済及び照合,電子マネー利用者に代わってする支払代金の決済,金融又は財務に関する情報の提供,電子的方法による金融取引,デジタル化されたアセットの分野における取引(電子的方法による金融取引),デジタル通貨・仮想通貨・暗号通貨・デジタル及びブロックチェーンアセット・デジタル化されたアセット・デジタルトークン・暗号トークン及びユーティリティトークンに関するオンデマンド及びリアルタイムの金融又は財務に関する情報の提供,デジタル通貨・仮想通貨・暗号通貨・デジタル及びブロックチェーンアセット・デジタル化されたアセット・デジタルトークン・暗号トークン及びユーティリティトークンの支払に関する金融又は財務に関する情報を特徴とするウェブサイトの提供,コンピュータネットワーク及びグローバル通信ネットワークを介した投資及び財務の分野における情報の提供,金融商品の電子的方法による取引,電子商取引に関する料金の支払の代行」

ちょっと理解が難しい指定役務です。お金とは書いていません。