Nishinyの商標・ブランド日記

商標・ブランドの情報です。弁理士の西野吉徳のブログです。

未来技術遺産(2019)

Gショック、ポータブルCDなどが登録

2019年9月4日の朝日新聞に、今年度の未来技術遺産が選定されたという記事がありました。

コメント

上記のものは、皆が知っている有名なものですが、他に何か面白いものがないかと思って、リストを見てみました。

重要科学技術史資料 :: 産業技術史資料情報センター Center of the History of Japanese Industrial Technology

個人的に面白いと思ったのは、次です。

 

  • シチズン太陽電池式腕時計:アナログクオーツ式の時計に、太陽電池が組み込まれており、ドイツで大きな反響を呼んだとあります。

http://sts.kahaku.go.jp/material/2019pdf/no268.pdf

  • シスメックスの自動血球計数装置:顕微鏡を使った目視の血球算定方法から、自動測定を目指した自動血球計数装置。装置販売だけでなく、必要な試薬や会報誌も同時に提供し全国に浸透させた

http://sts.kahaku.go.jp/material/2019pdf/no264.pdf

  • テルモの無菌注射器:肝炎の感染予防にディスポーザブル製品が必須。日本ならではの「もったいない」文化のため普及には約10年を要した。採血業務の合理化のメリットあり

http://sts.kahaku.go.jp/material/2019pdf/no263.pdf

  • 森永、明治の戦時中のペニシリンの合成:ペニシリンは1928年に英国で発見された奇跡の薬。第二次大戦中、ペニシリンの実用化に成功したのは英米を除くと日本だけ。ドイツの報告を頼りに、医、理、工、薬、農学の研究者によるペニシリン研究委員会を結成し、独学で1年以内にペニシリンの大量生産を開始した

http://sts.kahaku.go.jp/material/2019pdf/no276.pdf

http://sts.kahaku.go.jp/material/2019pdf/no277.pdf

 

好みの問題ですが、面白いと思ったのは、この4つです。薬、医療系のものが多い感じです。

 

多くの技術の蓄積があって、現在があるということが分かるのと、日本の技術は、世界に相当貢献しているだなという気がします。

これは、国立博物館に一同にあつめて、体系的に展示して、日本を観光で訪れる外国人の皆さんに見てもらいたいなという気がしました。

世界の中での日本の評価が、更にアップするのではないかと思います。

 

今回の登録で一番面白かったのは、ペニシリンを戦時中に日本で合成していたことです。まったく知りませんでした。GショックやCDプレーヤーも良いのですが、こちらの情報は、日本人には、インパクトがあります。

戦時中に合成に成功しただけで、広く普及はしなかったのだと思いますが、技術導入ではなく、ドイツの報告を頼りに、研究者が集まって、1年以内に完成させたというのは、感動的でもあります。