Nishinyの商標・ブランド日記

商標・ブランドの情報です。弁理士の西野吉徳のブログです。

法曹離れ

司法試験1502名合格

2019年9月11日の日経に、今年度の司法試験の合格者発表についての記事が出ていました。

司法試験1502人合格 政府目標は上回る :日本経済新聞

日経の記事によると、

  • 1502人が合格。4年連続合格者減
  • 政府の目標の1500人以上は上回った
  • 合格率は、33.63%
  • 平均年齢は、28.9歳
  • 受験者数は、4466人
  • 法科大学院修了者は、1187人(合格率は29.9%)
  • 予備試験は315名(81.82%)
  • 法科大学院の学校別では、慶応義塾(152人、50.67%)、東京(134人、56.30%)、京都(126人、62.69%)、中央(109人、28.39%)、早稲田(106人、42.06)の順
  • 合格者0は、13校
  • 法科大学院員の志願者は、初年度の2004年度の7万2800人をピークに減少し、2019年度は、9117人
  • 法科大学院も、74校から36校へ
  • ただ、法学部・法科大学院を計5年で修了する法曹コースが、20年から創設
  • 47の大学が設置の準備・検討

コメント

同日付けの朝日新聞によると、合格率が3割を超えたのは、過去10年では初めてだそうです。

日経の法科大学院の順番は、合格者別ですが、朝日新聞法科大学院の順番は、合格率順です。

 

合格率順では、京都(62.69%、126人)、一橋(59.82%、67人)、東京(56.30%、134人)、慶応(50.67%、152人)、愛知学院(42.86%、3人)、早稲田(42.06%、106人)となるようです。

朝日新聞の記事では、愛知学院のような募集停止の大学院に●が付いており、半分程度が無くなる(っている)ことを強調しています。

 

もともと、20校が最適とされていた法科大学院を沢山認可したのが問題の始まりと聞いているのですが、文部科学省としては、設置基準を定め、それをクリアーしたら、法科大学院を設置することを認可しないわけにいかないでしょうから、仕方ないかというところでしょうか。

 

司法試験は法務省で、法科大学院の設置基準は文部科学省とまた裂きですが、ある程度は相談ができるでしょうから、省庁が2つに分かれたことが、それほど問題であったとは思えませんが、どうなんでしょうか。

 

日経では、現在開講中法科大学院は、36校まで減っているのに、学部と法科大学院が一体の法曹養成コースの設置を検討しているのは47校とあるので、11校が復活するということになります。

 

自然淘汰が進んだところで、また、復活ということです。しかし、法学部に力を入れている学校なら、復活させたい気持ちも分かります。

 

法曹の仕事が多ければ、もっと法曹志願者が増えるだろうと思います。

 

電機の大手企業の知財部の感覚では、200件警告書が来て、1件訴訟になるかどうかという感覚だと思います。企業同士の話合いで何とか解決しているのが実情です。

 

裁判官や弁護士に頼るよりも、企業の知財部員同士で話をした方が、コストも安く、早く決着できるためです。

 

法曹が、安いコストで、早いサービスを提供できれば、裁判を利用することも増えると考えられます。

 

あるいは、中小企業になると、警告書と訴訟の比率は、もっと訴訟に至るものが多いのだろうと思います。

中小企業が発展すると、訴訟は増えると思われます。

 

知財から見ると、法曹の仕事が増えるには、コスト、スピード、中小企業育成でしょうか。