青森県が異議申立て
2019年9月30日の産経ニュースに、マカオの「青森」商標に対して、青森県が異議申立をしたという記事がありました。
「青森」商標出願に異議 青森県、マカオ当局に申し立て - 産経ニュース
- マカオの地元企業が「青森」商標を出願
- 青森県は、マカオ特別行政区に異議申立をしたと発表
- 5月30日に商標登録申請。加工食品や調味料などを対象
- 7月17日に公告
- 異議の審査に半年~1年
- 農林水産省系の海外の商標登録を監視している企業が気付いて、県に通報
- 商標は青森の地名のみで構成され、消費者に製品の生産地と誤認させると主張
- これまで中国で「青森」などの商標が申請されたが、県の異議が認められた
コメント
各マスコミで出ていた内容のようです。良く中国で「青森」が出願されており、これに対する異議申立を青森県が行ったという話は聞きますが、今回は、マカオのようです。
青森県のWebサイトには、極簡単に異議申立をしたことだけが記載されていました。
マカオにおける「青森」商標出願に対する異議申立等を行いました|青森県庁ウェブサイト Aomori Prefectural Government
Yahoo!ニュースに出ていた、東奥日報によると、
- マカオは中国マカオ特別行政区で1国2制度により、商標登録は中国と別制度
- 海外での商標登録を監視する農林水産知的財産保護コンソーシアム事務局から報告
- マカオ工業産権法では、異議申立人はマカオでの商標の権利者または出願人でなければいけない
- 県は中国や台湾などで商標登録している「青森の正直 JAPAN QUALITY AOMORI」を9月17日付で新規に出願
という情報もあります。
マカオで異議申立をするには、商標権者や出願人でないといけないのですね。
あと、「農林水産知的財産保護コンソーシアム事務局」というのが、農林水産省が作った海外商標を監視する企業のようです。
確かに農林水産省のWebサイトに、農林水産知的財産保護コンソーシアムの説明があり、食料産業局知的財産課のブランド推進班が担当とあります。
この農林水産知的財産保護コンソーシアムの事務局というのは、マークアイのようです。
経産省なら、発明推進協会でも、JETROでも、知財の問題の受け皿になる団体はありますが、農林水産省にはなかったということでしょうか。
このコンソーシアムは、GIがメインのようです。地名等商標監視は、トライアルとあります。
各県が、地名を監視すると、専門性や網羅性で問題があるので、このような団体に加盟して、監視をしてもらうのは合理的だとは思います。
GIと地域団体商標は、重なっている部分もあり、どちらを使う方が有利かなどと議論になりますが、この団体、どんな活動をしているのか、関心を持って見ていきたいと思いました。