Nishinyの商標・ブランド日記

商標・ブランドの情報です。弁理士の西野吉徳のブログです。

ダイソンのEVカーの撤退

決断が早いが...

2019年10月11日の日経に、ダイソンがEV開発を中止したという記事がありました。

英ダイソン、EV開発を中止 採算のメド立たず (写真=AP) :日本経済新聞

  • ダイソンは、電気自動車(EV)の開発中止を発表
  • 採算が取れる見通しが立たないと判断し、取締役会で事業の終了を決めた
  • 2017年9月にEV参入を表明
  • モーターやバッテリーから車体まで自前で開発する方針で、2018年10月にはシンガポールで生産すると発表
  • 事業の売却先は見つかっていない
  • EVに携わっていた技術者は家電部門などに

コメント

少し前に、ダイソンがEVに参入するということがニュースになっていたぐらいに思っていたのですが、あっという間の撤退です。日経の記事には、2017年9月にEV参入を表明とありますので2年です。

 

フォルクス・ワーゲンなどが、本気でEVを作り始めると、対抗できないのは分かります。鮮やかな撤退という気もしますし、早すぎる決断という気もします。日本企業なら、参入を決めたときの責任が、問題になりそうな話です。 

 

車は電池の充電さえ早くなれば、EVで十分だと思います。ダイソンは、全固体電池の開発は継続するようです。この電池は急速充電可能です。

ダイソンは、車メーカーではなく、電池などの技術研究開発型の企業としてやっていくのでしょうか?

 

日経ビジネス電子版の2018年1月12日の記事に、創業者のジェームズ・ダイソン氏の話として、なぜ、EVに進出するのかという話がでていました。

同氏は、ダイソンの前に、もともと、自動車の排ガスから、粒子をサイクロンで分離する研究をしていたようです。

しかし、クリーンディーゼルは環境によいという話が出てきて、この排ガス装置の開発から撤退したようです。

その後、フォルクス・ワーゲンのディーゼルスキャンダルがあり、EVしかないと考えたとあります。

ジェームズ・ダイソンがEV参入の狙いを激白:日経ビジネス電子版

 

参入を決めた時も、社員にメールで、連絡をしています。読むと、日経ビジネスのまとめ通りで、なぜ、ダイソンがEVに取り組むのかは理解できます。本人が書いたような文章です。

https://business.nikkei.com/atcl/report/16/011100194/011100001/?SS=imgview&FD=1154188341

 

そして、今回です。今回もEV開発断念を、社員にメールで連絡しています。ただ、今回は、広告のような文章になっており、広報の文章作成のプロが書いたような文章になっています。おそらく、社外が入っていると思いました。

内容的には、社員に対するメールですが、おそらく、社員だけではなく、社会に対して状況を説明しようとしているのだと思います。

See the story behind the Dyson electric vehicle | Dyson Automotive

 

ダイソンというと、英国からシンガポールに本拠を移したことを思い出しますが、これは、2019年1月23日の日経に記事がありますので、今から約半年前のことです。

英ダイソン、本社をシンガポールに移転へ :日本経済新聞

 

結局、残ったのは、ダイソンのシンガポール移転です。

 

EVを発売するという話は、夢があります。それがあるから、人が集まるのだと思います。シンガポール移転だけでは、現実的すぎて、夢がありません。