3つの分類、労働分配率、寡占
2019年12月24日の日経に、Neo Economy「無形資産 成長の源に」「フィジカルからインタンジブルへ」という特集があります。
- ヒト・モノ・カネの3要素から、研究開発(R&D)やブランドなどの無形資産が投資対象
- 機械や工場などの有形資産とR&Dやブランドなどの無形資産
- ソニーやIT企業など、無形資産が有形資産を上回る企業が多くなってきた
- 無形資産は3つに分類できる
- 情報化資産(ソフトウェア、データベース)
- 革新的資産(R&D、デザイン)
- 経済的競争力(人材訓練、ブランド、組織変革)
- 日本は経済的競争力が弱い。特に人的資本を育てるための投資が不足
- 無形シフトの時代に、労働分配率の低下が進んだ(無形資産に投資が集中し、格差拡大、富の富裕層への集中)
- 無形資産は補足されてない
- また、一部の企業にデータ、優秀な頭脳が集中しがち
- 特にインターネット業界では寡占傾向
コメント
これは面白い特集です。無形資産に投資が集中して、人への投資が減っているという話ですが、こんな分析は聞いたことがありませんでした。
無形資産への投資の拡大と労働分配率の低下に直接の関係があるのかどうかは分かりませんが、現象面としてはそうなっているようです。
また、無形資産を、情報化資産、革新的資産、経済的競争力の3つに分析する手法も聞いたことがありませんでした。
どこかに記載がないか探したのですが、分かりませんでした。
従来は、2019年1月23日の日経にあるような、分析ぐらいでした。
- のれん
- ソフトウェア
- 研究開発
- 知的財産
- 市場関連資産
- 顧客関連資産
これに比べると、3つの区分にしたことで、分析が進んでいます。特に、情報化資産と革新的資産は分かりやすいと思います。
経済的競争力に、ブランドがあるのは分かるのですが、なぜ、ここに人材訓練や組織変革といった人事的なものが来るのかなという気はします。一般的には顧客データや取引先データのようなものの方が、経済的競争力という感じがします。
この3分類については、関心をもって見ていきたいと思います。
次に、各国の比較で、日本は有形資産への投資が多いようです。その内訳で特徴的なのは経済競争力への投資が少ないという特徴があります。
欧米企業に比べると、日本企業では、人材訓練、組織変革への投資も少ないのだと思いますが、ブランドへの投資も相当少ないと思います。
人事とブランドを括って、何か出てくるのか良く分かりませんが、ブランドは社員の士気を高めたりするものでもあり、実際のインターナルブランディングの施策(運動会をしたりするのもインターナルブランディングであって労政に近い)としては人事に近いものがあります。この括り、あながち悪くないように思います。