Nishinyの商標・ブランド日記

商標・ブランドの情報です。弁理士の西野吉徳のブログです。

商標担当者になったときに読む本(その7)

ネーミング会議に呼ばれる

今回は、重要ネーミングですので、広告代理店やネーミングコンサルのコンペがあります。

 

はじめにご挨拶をしたことと、久しぶりに新しい商標担当者であること、弁理士であることなどで、私のことは広報宣伝部での知られたようです。営業部の課長の耳にも入っていたようです。

そのため、今回のネーミングについては、コンペのブリーフィングの段階から参加できることになりました。

 

ブリーフィングは、今回の商品の特徴を説明し、クリエイターに商品のことを理解してもらう大切な機会です。従来商品との違いや他社との差別化ポイント、大まかな販売やプロモーションの計画、製品デザインなどを見てもらいました。

今回は、海外で販売する戦略商品であり、日本国内市場だけではなく、グローバルで通用する本格的なネーミングをお願いしたいという話です。

どちらの会社に頼むかの選定のプレゼンを、2週間後にお願いすることになりました。

 

ブリーフィングに参加できたことで、商品の内容が良く分かりました。特許事務所に勤務していたときは、依頼書しかなく、Webで検索してその会社なライバル企業の先行商品を理解して、勝手に新製品の特長を理解するしかなかったのですが、会議にでると、企業の人から開発のポイントや市況なども分かり、商品のことがVividに理解できました。

特許事務所にも、このような説明があれば、よく分かるので、是非、お付き合いのある事務所向けに商品説明会をやろうと思いました。

 

はじめに話を聞いたときに、発売まで半年あるなら商標クリアランスの時間は十分あると思ったのですが、まだ、ネーミングの候補を考えてくれる事業者を選定する段階です。実際のネーミング作業はまだ先です。

 

この後、事業者を決め、そして、実際のネーミングに1か月必要です。6ヶ月の猶予期間のうち、1ヶ月半がここに必要です。

また、ネーミングの決定後、製品の発売に向けた実際の広告の制作、プロモーション素材の作成、配布などを考えると、ここに2ヶ月は必要です。

 

逆算すると、ネーミング案が出てから、商標調査が出て、事業部長のOKをとるまでに、6ヶ月-1.5ヶ月ー2ヶ月=2ヶ月半しかありません。

国内商標調査を先行させるとするとして、そこに1週間。その評価に数日で、半月かかります。

 

外国商標調査は、2ヶ月です。2週間もあれば、言葉の商標であれば、調査は可能ですが、図形であれば、1ヶ月は必要です。

今回は、外国商標調査を予定している国は、アメリカ、中国、アジア、欧州など20ヵ国程度だそうです。20ヵ国もあると、抵触する国も出てきます。

 

三者の商標に抵触する場合は、別案を調査するということになります。

あるいは、どうしてもその商標を使いたいとなった場合は、使用の許可を得る交渉や契約書等の取り交わしも必要になります。

グローバルネーミングの場合は、商標関係のクリアランスに半年は必要なのですが、今回は2ヶ月半しかなく、「私」は事業部の営業の責任者に、ネーミング案を出すときには、複数候補を出してもらうようにお願いしました。