Nishinyの商標・ブランド日記

商標・ブランドの情報です。弁理士の西野吉徳のブログです。

商標担当者になったときに読む本(その11)

商標調査依頼書

 

商標の候補3件を、E特許事務所にお願いすることになりました。

 

ベテランのCさんは、特許事務所に電話で商標調査を依頼しているそうです。EnglandのEなどと言いながら、スペリングを説明します。

 

「私」が、特許事務所にいた時、クライアントからの調査や出願の依頼方法は、千差万別でした。

 

丁寧な会社では、依頼書が充実しており、商標調査依頼書であれば、①商標・ネーミングの由来・発音の仕方、②商品・商品の説明・参考になる商品説明のWebサイトのURL、③国際分類、④納期その他の特記事項、といったようなことが詳しく書いてきてもらえるクライアントもありました。

特許事務所としては、そのようなタイプの依頼書は、情報量が多く理解しやすいので、助かります。また、電話よりは書面の方(PDFを含む)が安心感があります。

 

一方、メールの文章だけで依頼してくるだけの会社もあります。これでも十分なときも多いのですが、少し頼りないなと思うときもあります。

そのようなときは、メールでの再確認の作業が発生します。

後々、ややこしい話にならないためにも、正確な依頼書は有効な手段ですので、「私」は依頼書を作ることにしました。

 

Cさんに、なぜ依頼書ではなく、電話なのですか?と確認すると、急いでいることや、商標の重要性、新製品の特長など、書面だけでは伝わらないニュアンスがあり、電話を使っているということでした。確かにそういう面はありそうです。

 

特許事務所と企業の違いですが、特許事務所では顧客からの情報が必要です。企業では何もしなくても、会社の社内報やイントラサイトで、十二分な量の商品やサービスの情報、会社の経営動向、当該商品の重要性、海外展開の予定など、各種の情報が入手できます。

これが、特許事務所では限りがあります。丁寧な企業は、できるだけ説明しようとしてくれますが、何も説明がないときは、特許事務所の担当者がその会社のWebサイト、検索エンジンで検索したりして、やっと商品や事業の理解ができることが多かったように思います。

企業では当たり前と思っている情報が、特許事務所では当たり前ではありません。

 

特許事務所でこのような感覚を持っていたいので、企業の商標担当者としては特許事務所にもより深く商品の内容や、この商標の重要性を理解してもらいたいと思いました。

 

日常的は、依頼書や電話で事足りますが、今回は戦略商品であり、少し深く理解してもらいたいし、また、新担当者として、特許事務所に挨拶に行く機会でもありますので、「私」は上述の依頼書とパワーポイントの簡単な説明資料を作成して、特許事務所に説明することにしました。