物語 英語の歴史(THE STORY OF ENGLISH)
フィリップ・グッデン著「物語 英語の歴史」(田口隆夫 監訳、悠書館)を図書館で借りて読んでみました。
表紙の後ろのページに、NHKのラジオの英会話で有名な大杉正明先生の推薦文がついていました。先生自身、英語史の本を読んで面白いと思ったことがないそうですが、これは面白かったとあります。
著者は、バース在住のイギリスのミステリー作家だそうです。
英語学習者として、日々英語と格闘していますが、歴史を勉強すると参考になるかと思って読んでみました。
- サンスクリット語とギリシア語やラテン語には、共通の語彙があり、インド・ヨーロッパ語と呼ばれる(イギリス人の裁判官がインドで研究・公表)
- 基礎的な単語、例えば、代名詞のI, who, weや、数詞two,three, fiveは、石器時代からあまり変化がない
- イギリスは、もともとケルト人の国だった。しかし、地名等は残っているが、ケルト語自体はあまり残っていない(現代ウェールズ語は、ケルト語の末裔)
- ローマ人の支配があったが、ラテン語の痕跡は少ない
- デンマーク、北ドイツ、オランダ北部からアングル人やサクソン人がきた。ケルト語を話す人は、辺境に追い出された
- 古英語:アングロ・サクソン人の英語が、古英語。現代、頻繁に使われる100の言葉は古英語に由来(a, the, when, I, you, she, from, with, have, be, ship, sheep, field, earth, wood, workなど)
- ヴァイキング、デーン人の侵略あり。北欧語の影響がある
- 中英語:ノルマン人の征服により、ノルマン・フランス語が、英語に大量に語彙を提供
- 方言だらけ。詩人のチョーサーのイースト・ミッドランド地方の方言。優勢に
- シェイクスピアの時代
- ジェームズ1世の欽定訳聖書
- 新大陸:英語が拡大
- イギリスのジョンソン博士の辞書
- 18世紀までに、英語は今日の形に進化
- 近代の英語:アメリカの独立。アメリカのウェブスターの辞書編集
- グローバルな英語の普及
- 英語の今後
というような内容です。
アングロ・サクソン人の古英語、ノルマン人の征服による中英語、それが、チョーサーやシェークスピア、欽定訳聖書、辞書編集を通じて、一つになっていったという感じです。
そして、アメリカが独立したり、その後も、世界中の語彙が英単語の中に、大量に流れ込んでいるようです。本書を読んでみて、言葉というものはダイナミックに変化するものだなと思いました。
コラム:本書には、OKの由来も諸説あること、Blogという言葉の誕生など、面白い話も挿入されています。(挿入されているコラムが多いのですが、コラムを読んでいると文意が負えなくなるので、コラムは本文を読んだ後にまとめて読む方が良いかもしれません。)
世界史や英国の歴史を十分理解できていないので、本書でも理解できなかったことがあります。ついでに、英国の歴史も、少し、学んでみたいなと思いました。
また、日本語も竹取物語、源氏物語の時代から、相当変化していると思います。このような日本語の歴史についての本があるようですので、こちらも一度、読んでみたいなと思いました。