Nishinyの商標・ブランド日記

商標・ブランドの情報です。弁理士の西野吉徳のブログです。

マルタのパスポート販売

寄付と不動産購入(賃貸)が条件

2020年2月15日の朝日新聞夕刊で、マルタが外国人に市民権を与えるプログラムを実施し、一定の成果を挙げているという記事を見ました。

内容は、

  • 外国人に特別に市民権を与える「個人投資家プログラム」。別名「ゴールデンパスポート制度」
  • キプロスブルガリアも同様な制度を導入
  • 条件は、65万ユーロ(7800万円)の寄付+35万ユーロ(4200万円)以上の物件購入or年間1万6千ユーロ(192万円)以上の物件の賃借+マルタに12ヶ月以上住んでいること+安定的な収入があること
  • 2014年の募集開始以降1200名が承認
  • マルタ市民権でEU市民になれ、EU域内の移動、仕事、投資が自由に
  • 中国、中東諸国、ロシアなどから
  • 欧州委員会は審査が緩い、制度の透明性がないと問題視

とあります。

コメント

マルタは、昨日の「ブティジェッジ」氏の父の出身地でもあります。地中海にあり、イタリアの先のシチリア島の、そのまた先にある小さな島国です。この制度を利用して富裕層が集まって投資をしてくれているためでしょうか、記事によると近年、景気が非常に良いそうです。

 

さて、EU域内の移動の自由があるのが魅力のようです。子供たちがフランスやドイツの大学で勉強するにも有利に働くと思います。記事にあるように、渡航時にビザが必要な国の人が、マルタの市民権/パスポートを求めているようです。

 

さて、「市民権」ですが、アメリカの場合は州ごとに分かれているので、市民権という名称ですが、内容は「国籍」と同じようなものです。アメリカでは市民権のある人は参政権まであるようです。一方、永住権しかないと参政権はないそうです。

日本は二重国籍を認めないので、アメリカの市民権を得ると、日本の国籍を失うとあります。

気になるメリット&デメリットどう違う? 市民権vs永住権(前編)|その他の特集|現地情報誌ライトハウス

 

では、マルタの市民権を得てしまうとどうなるのでしょう?単にマルタに住む権利(アメリカの永住権のようなもの)なのでしょうか?あるいは、参政権まであるような権利(アメリカの市民権のようなもの)なのでしょうか?

朝日新聞の記事からは明確ではありません。

 

BBCの記事で、ドイツ人がマルタに移住し、ドイツのパスポートを諦めたとありますので、おそらくマルタの市民権は国籍に近いものなのかと推測しました。

パスポートに付けられた値段 地中海の島国マルタで - BBCニュース