損害賠償請求額1250万円
2020年2月18日の日経で、中日新聞社がつくばエクスプレス(TX)を運営する首都圏新都市鉄道を新聞記事の無断使用が著作権侵害にあたるとして、損害賠償金1250万円を請求する訴訟を起こしたという記事がありました。
私の見た新聞記事よりも、電子版の方が詳しいようです。
つくばエクスプレス側を提訴 「著作権侵害」と中日新聞 :日本経済新聞
- 期間は、2005年9月から2019年4月までの間
- 対象は、中日新聞社が発行する東京新聞に掲載された記事
- 中日新聞社の許諾を得ず画像をデータ化し、全従業員が閲覧できるイントラネットの掲示板に掲載
- 中日新聞社は提訴前に問い合わせ。首都圏新都市鉄道は謝罪
- 年間300件程度の記事を無断使用
また、ITmedia Newsには、新聞社が損害賠償を求める訴訟は初とあります。
記事キャプチャ画像を社内電子掲示板に無断掲載 中日新聞、つくばエクスプレス運営会社を提訴 - ITmedia NEWS
コメント
まず、東京新聞が中日新聞の傘下の新聞社だということを知りませんでした。
それはさておき、1250万円というのはなかなかの金額です。
日経新聞の紙面でこのニュースを見たときは、期間などの記載がなかったのでこれは高いなとその時は思いました。
しかし、日経電子版にあるように、13年半の長期であり、年間300本ということからすると、このぐらいの金額になるのかなあと思います。
13.5年×300本=4,050本になります。
首都圏新都市鉄道の従業員は700名ぐらいですから、4,050本×700名=283万5000回の閲覧可能数となります。
1250万円÷283万5000回=約4.4円となり、1ビューあたり、4.4円換算です。
実際は、700名すべてが見ていないと思いますので、半数が見ているなら8.8円です。1割がしか見ていないなら44円です。
イントラネットに情報を上げても、全員が見るような情報とそうでもない情報があると思いますので、定期的に掲載される新聞記事なら1割かもっと少ないかもしれません。
5%しか見てないとすると88円です。
最近よく、ネットの新聞記事や雑誌記事が、一話100円~120円となっているように思うのですが、このあたりが市場価格なのでしょうか?
(話はズレますが、東京新聞の朝刊の対価は120円とあります。朝刊には多くの記事が入っていて120円です。特定の記事だけで100円~120円というネット記事の値付け自体、少し高いようにも思います。一本の記事の閲覧なら、10円とか12円とかになれば、有料記事でも読む人がもっといるのではないかと思います。)
うろ覚えですが、日本複写権センターにコピーの対価を支払うとか、手続があったように思うのですが、同社はそのあたりの手順を踏んでいなかったのかなと思いました。
もう一つ、今回は事前に話合いの場があり謝罪まであったようですが、結局は提訴に至っています。金額が折り合わなかったということでしょうか。