Nishinyの商標・ブランド日記

商標・ブランドの情報です。弁理士の西野吉徳のブログです。

茨城空港の英文名称

Tokyo Ibaraki International Airport

2020年5月29日の朝日新聞に、茨城空港の新愛称案として、「Tokyo Ibaraki International Airport」が選ばれ、知事に答申され正式決定される見通しという記事がありました。

  • 同空港の正式名称は「百里飛行場
  • 国内向けには「茨城空港」のまま
  • 開港10周年
  • 訪日外国人客への知名度向上のために愛称変更を検討
  • 海外セールに「東京」は必要

とあります。

 

コメント

空港は、正式名称とは別に愛称を持つようです。

J-Plat Patで見ましたがが、「空港」というもの自体の役務は発見できませんでした。空港のマネジメントとか空港の工事などの役務はあるのですが、空港自体は役務ではないということでしょうか。

あるいは、空港は本来、公的なものだからでしょうか。

 

さて、茨城県なのに「Tokyo」が冠されるようです。

東京駅まで、バスで1時間30分~40分程度のようです。

東京駅と成田空港は、62分~65分とあります。

茨城空港の方が多少は遠いようですが、何とか成田とそれほど変わらないと言えるかもしれません。

 

成田空港ですが、新東京国際空港(New Tokyo International Airport)と言っていたはずと思って調べると、2004年に新東京国際空港という名称を止めて、正式名称は「成田国際空港」となっているようです。成田国際空港の英文名称は、Narita Internnational Airportです。

 

成田もTokyoと言っているなら、茨城もTokyoと名乗っても良いかなと思ったのですが、成田がNaritaと言っているなら、茨城空港は茨城国際空港の方が良いのではないでしょうか。

 

その他の案については、産経ニュースに記載がありました。

空港の愛称をめぐっては以前から県議会を中心に「東京」を使った名称を付けるよう求める意見があり「東京北空港」「水戸黄門空港」などの案も出ていた。

とあります。

茨城空港、海外向け愛称に「Tokyo」 - 産経ニュース

 

東京北は別として、「水戸黄門空港」は「高知竜馬空港」や、「出雲縁結び空港」に近いものです。

産経ニュースには、

現状でも空港利用者数は着実に増加しており、昨年は過去最高の80万人を突破。うち約8割を国内線利用者数が占めている事実もあり、有識者らは国内では名称が定着していると考え、一層の浸透には「茨城空港」の愛称を踏襲する必要があると判断した。

ともあり、英文名称だけがTokyoを付けた理由が記載されています。

 

スローガンでも、ネーミングでも、社名でも、日本語名称と英文名称が不一致なものが時々出てきます。何某かの理由はあるのですが、あまり好ましいものではありません。その名称が、皆に受け入れられる、本物の名称にならないように思います。

日本語でも英語でも同じ。これが、ネーミングの目指すべきだと思います。

 

ちなみに、ネットでは今回の「Tokyo Ibaraki International Airport」という案は、県民として恥ずかしいとか、相当、突っ込みが入っているようです。

 

※ 最終的に、英文は「Ibaraki International Airport」に落ち着いたようです。

茨城空港愛称決定、有識者案の「Tokyo」はボツに(産経新聞) - Yahoo!ニュース

 

有識者会議の提言の「Tokyo」を付ける案について、知事は海外では有効としながらも、県民からの反対を押し切ってまで「Tokyo」を付ける必要はないとしたようです。

 

日本語と英語の齟齬を無くすために、国内の名称にも、「国際」の語を付けても良いのになとは思いました。