テレワークは好機
2020年5月22日の朝日新聞に日本電産の永守会長兼CEOへのインタビュー記事がありました。
記事は、リスクへの対応や、テレワーク、今後の世界のあり方、とがった人材の育成と、多方面な内容なのですが、一番のポイントはテレワークの見方です。
永守さんは、新型コロナで人々の働き方が変わるとして、テレワークは好機であり、自己管理力を高めて、あしき慣行を変えるものになるとしています。
具体的には、
- テレワークのメリット:若い世代が使いこなしている。大きな会議も時短できた。これからは出社は週一でよく、住まいも都心でなくて良い。広い仕事場が確保できる。海外担当なら時差を生かせる。
- テレワークによる変革:日本人の指示待ちには合わないと思っていたが、テレワークで上司の顔色を見て仕事をする指示待ちから変われる。日本人は意見を言わない。外国人にディベートで負ける。
- テレワークと自己管理:これからの人事評価は、Proactive(積極的に自分で仕事を探す)、Professional(専門性を磨く)、Productive(生産性を高められる)。これからは20代の課長もありえ、日本の悪しき横並び主義を変えるきっかけになる。
というような内容です。
コメント
対談なので、話の筋や主張がつかみにくいところがあります。
永守会長は、これまではテレワークには反対だったようですが、新型コロナを契機にいち早くテレワーク賛成を表明して、発言しておられます。
その考え方の一環が出ているのではないかと思いました。
テレワークの一番重要な点は、指示待ち型ではなくなり、自ら問題点を見つけて、自ら主体的に動き、積極的に発言する、プロアクティブな仕事に変化する契機になるというものです。
そのために、従来以上に個人は自己管理が必要ということのようです。
特許事務所なら、事務所で明細書を書くのも、自宅で書くのもあまり変わらないところがあり、通勤時間が削減されるというメリットがあるのかな程度に思っていましたが、
通常の会社の、営業、商品企画、経理、人事など、テレワークでどうなっているのかと思いました。
人と会うのが仕事だった人達が、人とできるだけ会わずに仕事をしようとなると、ZOOMとかの活用はあるとしても、単に通勤時間を削減するレベルではない仕事の抜本的な見直しが必要になりそうです。
企業には雑用が山のようにあり、その処理は会社に行かないとできないことが多く、それをしていると時間が取られ、本来やるべき中心となる業務をやれるのは、雑用の合間か残業時間という人が多かったのではないかと思います。
雑用の整理が必要で、創造的な破壊が必要なところだと思います。
あるいは、今から、一から、業務を作るとして、現在のIT技術を前提に、仕事のやり方を構築するというのが、方法かもしれません。
緊急事態宣言も終了して、新しい日常に入っていますが、特許事務所も単に通勤がなくなり時間のメリットがあるというだけではダメなような気がします。
ZOOMやSLACKなどのITを使って、仕事を作って行くところからスタートになるように思います。
まずは、従来型の仕事の効率化ですが、新規の仕事を作れないものかと思います。