各国に商標出願 CPU切替時のソフト
2020年6月22日の朝日新聞夕刊に、アップルが「ROSETTA]という商標を各国で出願しており、その意味が翌日のイベントで判明するという記事がありました。
- 日本では「APPLE ROSETTA」という商標で、4月30日付で出願
- 5月26日に特許庁サイトで公開
- 役務は、コンピュータプログラムを「翻訳および実行する」ためのソフトウェア
- 米国では2005年11月に「ROSETTA」商標を登録
- 当時は、IBMからインテル製のCPUに切り替えた時期。従来のソフトを新型MACで動かすための技術
- 日本の出願の3日前に、カナダ、ニュージーランド、サモア、カンボジア、ラオスで「ROSETTA」を出願
- CPUを自社開発に切り替える、15年ぶりの戦略の大転換か
なお、2020年6月24日付の朝日新聞電子版では、CPUの自社製への切り替えの発表があったようです。
この切り替えをスムーズに進めるために、従来のMACで動いていたソフトを新型MACでも動くようにするためのソフトが必要で、それが「ROSETTA 2」であると説明がありました。
コメント
最近、よく商標出願の情報がニュースになることがあります。
この記事もその一種ですが、どうも、アップルが「ROSETTA」というソフトを新CPUでも動かせるアドオンソフトを供給するのは今回が初めてではなく、二回目のようです。
自社製CPUにすると言う話は、先に別途アナウンスがあったようです。
この記事は商標出願で、その話の裏が少しだけ確認ができました。では明日の発表を楽しみにしましょう。というタイプの記事のようです。
米国や他国は「ROSETTA」なのに、日本は「APPLE ROSETTA」となっているのは、何か引っかかるものがあるのかと思って検索すると、任天堂に「ROSETTA/ロゼッタ」の登録があるようでした。
ハウスマークを冠すれば、非類似になるのか?という全体観察の論点もありますが、注目したのは、海外の検索結果です。
Global Brand Databaseを見たところ、すでに、2005年に国際登録があり(873599号)、相当数の国を指定国にしています。
4月27日に出したのは、記事にある、カナダ、ラオス、ニュージーランド、サモア、カンボジアのようです。おそらく朝日新聞の記者はGlobal Brand Databaseで確認したのだろうと思いました。
新聞記者も、商標検索ができないといけない時代になっているんだなと思いました。
今回、アップルは、重要発表前に、国際出願をはじめとする従来の保有権利の棚卸しをして、抜け漏れがあった国に出願したのだろうと思います。
ただ、日本への出願が、他国に比べて3日間遅れているのは、どういう意味かなと思いました。