主力ブランドは売却
2020年8月22日の日経と朝日新聞、そして、2020年8月25日の朝日新聞に、レナウンと各事業ブランドの話が出ています。
レナウン、「ダーバン」など5ブランド売却 小泉グループに :日本経済新聞
日経によると、
- ダーバン、スタジオバイダーバン、アクアスキュータム、シンプルライフ、エレメントオブシンプルライフの5ブランドは、小泉グループ(大阪市)に売却
- レナウンインクスは、ストッキング大手のアツギに10月1日に売却
- 主力ブランドや子会社は売却のめど
- グループ一括売却は、スポンサー探しが難航
- ブランドや子会社ごとに売却する方針へ
- 売却見通しの立たない子会社は清算
- 100年の歴史を持つレナウンは清算の可能性が高い
8月22日の朝日新聞によると、
- 売却対象に含まれない10ブランドは廃止
8月25日の朝日新聞には、小泉グループの会長とのインタビュー記事があり、
- ダーバンは誰でも知っている
- アクアスキュータムは世界の高級ブランド
- シンプルライフは一般カジュアルとして業界の3大ブランド
- 小泉グループは、2009年にゴールデンベアの日本事業を譲り受けて紳士服に参入
- メンズ強化の一環。生産、販売、コストで相乗効果
- (ユニクロが強いが)一定のお客さんの満足にはブランドが必要。独自性を出すための一環がブランド
とあります。
コメント
レナウンは中国企業に買収されていたのではないかと思いますが、最終的にはこのようになってしまったようです。
大学の弁理士試験のゼミに、ダーバンでアルバイトをしているという先輩がいて、ダーバンに入社すると言っていたように思います。
その後、お付き合いは無かったのですが、どうされているのかなと思いました。
さて、気になったは、「レナウン」ブランドです。
コーポレートブランドと事業ブランドの関係ですね。小泉グループやアツギに売却されるのは、事業ブランドです。
コーポレートブランドの「レナウン」を売却することはないようです。
ダーバンの製品には、レナウンのタグや表記は無かったと思います。会社組織が別なためだろうと思います。
シンプルライフは、レナウン直轄ですが、本体の肩のタグはシンプルライフだけで、性能表示のタグに㈱レナウンとありました。
基本的には、コーポレートブランドではなく、各事業ブランドを全面に出す戦略のようです。
これはアパレル企業全般にそうですね。コーポレートブランドで戦う自動車や電機とはだいぶちがいます。
会社が清算されるとするとしても、商標権自体は、期限満了まで形式上は残ってしまいます。どうするのかなと思います。
「レナウンインクス」というブランドは、「レナウン」の語を含むので、「アツギ」が「レナウン/RENOWM」を承継することはないのでしょうか?
「PANAM」を思い出したので、Wikipediaで検索すると、一旦、地域航空会社として復活したようですが、2008年に再度、休止になっているとありました。現在は鉄道会社が残っているそうです。
知名度はあっても実体がないですし、コーポレートブランド戦略ではなく個別事業ブランド戦略ですので、「レナウン」の復活はなかなか難しいのかもしれません。