Nishinyの商標・ブランド日記

商標・ブランドの情報です。弁理士の西野吉徳のブログです。

読んでみました

「越前敏弥の日本人なら必ず誤訳する英文 決定版」

コロナ禍で、昨日、ご紹介した本の次に読んだのがこの本です。 出版社はディスカバー・トゥエンティワンという会社です。

越前敏弥さんは、東大卒で英語講師を長年された経験を持つ、プロの翻訳家です。ダ・ヴィンチコードなどの翻訳をされたそうで、翻訳講座などもやっておられるようです。

越前敏弥の日本人なら必ず誤訳する英文 決定版

越前敏弥の日本人なら必ず誤訳する英文 決定版

  • 作者:越前 敏弥
  • 発売日: 2019/08/29
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

タイトル通りなのですが、紹介されている英文は、本当に読み間違えてします文章ばかりです。

本の帯には、「英語自慢の鼻をへし折る!」と書かれているのですが、まさにその通りです。正しく読めたのはほんの少しで、ほとんど引っかかってしまいました。

 

プロの翻訳家という点もありますが、元々が教育者で、翻訳教室で生徒さんが間違える点を熟知しているという点が、この本の良い点だろうと思います。

生徒さんの正答率が、5%、10%、30%などとあります。翻訳学校に行く人ですので、それなりに英語に自信のある方だと思います。その人が、5%、10%というのは、ほとんどの日本人が読み間違えていると言って過言ではないなと思いました。

これは英文法や英文の構造、考え方を理解しないために陥ってしまうようです。その意味では、タイトルは正鵠を得たものです。

 

帯には、例文として、次をどう訳すか?とあります。

I waited for fifteen minuites-they seemed as many hours to me.

 

どうでしょうか。前半は良いのですが、後半です。「15分間待った。それらは私にとって多くの時間に思えた。」ではダメということです。

ポイントは、as many hours を「同数の時間」、ここでは「15時間」と捉える点とあります。よって、正解は「わたしは15分まったが、それは15時間のように思えた」が正解です。

 

ジャズの名曲のタイトルなのですが、次の英文は衝撃でした。

You'd be so nice to come home to.


Sarah Vaughan - You'd Be So Nice To Come Home To (Live @ The London House) Mercury Records 1958

 

「あなたが家に帰って来れればよかったのに。」ぐらいに読んでしまいました。

 

実は最後のtoがポイントだそうです。また、このniceなどの難易や快不快については、tough構文/循環構文というが成立し、この文章は別の言い方にすると、

It would be so nice to come home to you.

となるそうです。

 

そして意味は、「あなたのもとに帰れたら、なんとすばらしいのか。」となるそうです。

 

この本ですが、筆者もいっておられるのですが、1度読んだぐらいでは意味がなく、何回も読みなおすことを想定して書かれているそうです。

また、チャレンジしてみます。