山本庸幸(つねゆき)さんのインタビュー記事
2020年9月30日の朝日新聞で、元内閣法制局長官・元最高裁判事の山本庸幸さんのインタビュー記事を読みました。
- 旧通産省入省、著書に「要説 不正競争防止法」「実務 立法技術」
- 2013年8月内閣法制局長官を辞任。その後、後任の小松一郎長官が集団的自衛権の行使を容認する解釈へ変更。2014年7月に閣議決定。2015年9月に安保法の制定へ
- 安倍政権は、側近政治と過度の忖度(そんたく)
- 危機対応時に、各省庁との議論不足が問題を生じる
- 山口厚元東大教授が、日弁連の推薦がないのに弁護士枠で最高裁判事に就任
- 黒川弘努前東京高検検事長の異例の定年延長
- 阿諛追従のやからばかりになりかねない
コメント
英語の業務に必要かと思い、CASIOのEX-WORDの英語モデルの昨年版(安い)を買いました。
^阿諛追従という難しい言葉が出ていたので、さっそく辞書を引くと、「相手に気に入られようとして、大いに媚(こ)びへつらうこと」(デジタル大辞泉)とあります。「阿諛」は、「顔色を見て、相手の気に入るようにふるまうこと」(デジタル大辞泉)だそうです。
難しい言葉を使うんだなと思いました。多くの人に理解してもらうために、できるだけ平易な言葉を使った方が良いという気はしますが、「忖度」が流行語にもなってしまい、特定の意味を持ちすぎるので、別の言葉を使ったのかなと思いました。
さて、この山本庸幸さんのお名前を見た時に、何か聞いたことがあるなと思いました。新聞にも紹介がありましたが、不競法の教科書の著者ですね。自分では買わなかったのですが、ここで見たことがあるのですね。
内閣法制局長官をやっておられたことや、最高裁判事だったことまでは、不勉強で知りませんでした。
アマゾンで検索すると、新聞に紹介されていた立法技術の本以外に、製造物責任法の著作などがあるようです。やはり専門分野が広いですね。
そういえば、一時期話題になった、菊池桃子さんのご主人の新原浩朗さんも「改正特許法解説」という著作があります。やはり法律を作る人は違いますね。
このインタビュー記事を読むまで、弁護士枠なのに、日弁連の推薦のない山口厚元東大教授が最高裁判事になったことも知りませんでした。
この間の事情は、FACT ONLINEに詳しくありました。
アメリカではギンズバーグ判示の死去に伴った新判事の任命がもめているようですが、日本の最高裁判事の任命はあまり、話題になりません。
Wikipediaによると、
最高裁判所裁判官のうち、最高裁判所長官は内閣の指名に基づき天皇が任命する。最高裁判所判事の任命は内閣が行い、天皇が認証する。
識見が高く法律の素養があると判断されれば法曹資格を持たない者からも登用できるが、少なくとも10名は10年以上の裁判官経験又は20年以上の法律専門家(検察官、弁護士、簡易裁判所裁判官、大学法学部の教授及び准教授)経験を持つ者から登用しなければならない(裁判所法第41条)。
候補者については、(ア)主として裁判官、弁護士、検察官の場合は、最高裁長官から複数候補者について提示を受け、(イ)行政、外交を含む学識経験者については、原則内閣官房で候補者を選考し、いずれの場合も内閣総理大臣の判断を仰いだうえで閣議決定する。
東京弁護士会、第一東京弁護士会、第二東京弁護士会から各1人ずつで計3人、大阪弁護士会又は兵庫県弁護士会(旧:神戸弁護士会)から1人が就任する事例が多い。日本弁護士連合会で設置された最高裁裁判官推薦諮問委員会で人選された上で推薦した者が就任することが慣例化しているが、大塚喜一郎や本山亨や山口厚のように例外も存在する。枠はかつては「5」であったが、1961年以降は「4」になっている。
とあります。
日本の最高裁判事の定年は70歳のようです。現在の超高齢化社会では、ちょっと若すぎる定年かもしれません。