Nishinyの商標・ブランド日記

商標・ブランドの情報です。弁理士の西野吉徳のブログです。

持株会社制度

パナソニックが移行

2020年11月14日の日経電子版に、2021年6月24日のパナソニックの社長交代と、2022年4月からの持株会社への移行の話が出ていました。

パナソニック、持ち株会社に 社長に楠見氏 :日本経済新聞

 

  • 2021年4月1日から楠見雄規常務執行役員がCEOに。2021年6月24日付社長に
  • 津賀一宏社長は代表権のない会長に
  • 2022年4月に持株会社制へ移行
  • 持株会社の社名は、「パナソニックホールディングス」
  • 現在は社内カンパニー制
  • 持株会社では車載電池や電子部品など8つの事業会社をぶら下げる
  • 責任と権限を明確化し、意思決定を早める
  • 低収益事業の整理と成長軌道への早期復帰を目指す

コメント

持株会社については、パナソニック㈱のニュースリリースに詳しくでていました。

https://news.panasonic.com/jp/press/data/2020/11/jn201113-2/jn201113-2-1.pdf

  • 現在のパナソニック株式会社は、パナソニックホールディング株式会社に社名変更
  • 現在のパナソニック株式会社は、事業分割で新しい「パナソニック株式会社」とその他の株式会社に会社分割される
  • 新しいパナソニック株式会社の中に、ホームアプライアンスなどの5つの事業
  • 別法人としてオートモーティブ事業株式会社(仮称)などの6つの大きな会社
  • その他グループ各社の他、プロフェッショナルサービス株式会社(仮称)

とあります。

新しいパナソニック株式会社は、現行のパナソニックの社名を継続使用しますので、何か優先的に扱われている感じがします。

 

2008年の社名変更・ブランド統一のときに十分に検討時間があれば、その時に、持株会社に移行するのも手だったんだろうと思います。

 

さて、最近は、流通や外食産業などで「ホールディングス」という社名の会社をよく見ます。

例えば、外食産業では、流行り廃りも早く、事業の売り買いが多いので、ホールディングスは、最適な経営形態なんだろうと思います。

また、ティファニーを買収したLVMHなどもホールディングです。

ホールディングスの意味を、そう理解すると、新しいパナソニック株式会社に残った事業というのは、やはりパナソニックの中核事業という認識が透けて見えます。

ホールディングスに絶対権限がないように見えます。

 

ソニーの社名変更では、ホールディングスはソニーグループ株式会社で、エレキのソニーは、ソニーエレクトロニクス株式会社です。 

nishiny.hatenablog.com

ソニーの方が、純粋持株会社に振り切れているような感じはします。エレキ事業も、他の事業と横一線という感じがします。

 

もう一つ、知財権の名義が気にはなります。

パナソニックでは、特許と意匠は、知財権の名義をパナソニック株式会社に置かずに、パナソニックIPマネジメント株式会社に置いている会社ですが、商標はパナソニック株式会社のようです(特許庁ステータスレポート2020による)。

ホールディング化した場合、商標でも特にハウスマークはホールディングの持ち物にして、それ以外の商標は実際に商標を使用する各事業会社のものにするのが通常とは思いますが、どうするのかなと思いました。

 

 

最後に、気になったのは、リリースに出ている住所です。大阪府門真市大字門真1006番地となっています。パナソニック町にするのはどうかと思いますが、「大字」はこの際、返上してはどうかと思いました。門真市に番地の変更をお願いしてはどうでしょうか。