アクセンチュアが関連人材2000人に
2020年11月20日の日経に、アクセンチュアがインタラクティブ本部を立ち上げ、その中核がデザイナーであるという記事を見ました。
デザイナー、事業戦略描く アプリ満足度が収益左右 :日本経済新聞 (nikkei.com)
- アプリデザインの使い勝手が事業の成否を左右
- デザイナーが事業戦略策定まで
- アクセンチュアは、2~3年後に人員を2000名に。富士通は、3年で1000人に
- 電通は外部のデザイン専業と提携。博報堂は米IDEOに30%出資
- デジタル化で、プロダクトデザインからWebやアプリに
- Webやアプリの満足度、利用時間などを評価可能に
- デザイナーが単に表現だけではなく、戦略やコンセプト立案に携わる
- デザイン会社は、下請けではなく、企画立案の段階から同席し、企業理念や戦略をデザインに落とし込む
- 米国では、デザイン重視企業は、株価上昇率が約2倍
- 一方、国内のデザイン人材は5年で7%減。負担の多い労働環境。若い層が敬遠
というような内容です。
コメント
従来型のプロダクトデザイン、インダストリアルデザインから、Webデザインやアプリのデザインにシフトしているようです。
特に、アプリのデザインは経営を左右するとあり、狭義のデザインや操作性だけではなく、アプリの企画や、その上流の戦略立案まで遡る必要がでており、それができるデザイナーが求めらているとあります。
米IDEOのように、アクセンチュア、富士通などは、デザイン人材を強化しているとあります。
Webデザインが、モバイルファーストになり、より設計や戦略に近くなってきているようです。
単に、装飾的なデザインでもなく、より本質的なところまで迫るとなると、相当に難しい仕事になります。それができる人材も限られるように思います。
デザイン系の大学、デザインの専門学校、色々とありますが、以前、デザインの専門学校出身者はデザインは良いんだけれども、企業の人事の基準では高卒扱いになってしまうので、採用できないという話をきいたことが
あります。
今は、どうなっているのか分かりませんが、あまり変わっていない可能性はあります。
米IDEO、アクセンチュア、富士通が求めるものは、相当に高度な話だろうと思いますので、単にデザインが好き、イラストが上手い、というとは違うように思います。
デザインは好きだったが、ITなどの技術系の大学を出た、あるいは、社会学部や経営学部を出て社会人になった。しかし、やはり、デザイン的なことがやりたい。そういう人が、デザインの大学や専門学校に入り直して人材育成できるでしょうか。
あるいは、反対に、デザイン系の大学や専門学校を出た人に、社会に出た後に、ITや経営を学んでもらう方が良いのでしょうか。
スティーブジョブスの話で、大学を止めて、モグリでカリグラフィーの授業に出ていて、それが何年かして、マッキントッシュのフォントに繋がったという話がありますが、「偶然」と「興味」と「若さ」が必要な気がします。
可能性としては、大学生ぐらいの時に、ITとデザイン、デザインと経営というような、2つの専門を追求するという方法はあると思います。
今は他学部の授業を受けることができるなど、大学の仕組みは多少は柔軟になっていると思いますので、本人次第なのかもしれせんが。
特許庁がデザイン経営といっていましたが、こちらは、Webとは関係なく、デザイン思考の方だろうと思います。
シンガポール特許庁のようにスマホで商標出願ができるようにするのも、良い方法だろうと思いますが、そのような提案は今のところ聞こえてきません。