三菱みらい育成財団
2020年11月25日の朝日新聞に、三菱グループが創業150年を迎え、これまでのグループ内の経済的「互助」から社会貢献に活動の軸足を移しつつあるという記事がありました。
- 三菱グループは、1870年(明治3年)に、海運業の「九十九商会」から
- 150周年の目玉事業が、「三菱みらい育成財団」
- 10年間で計100億円
- 子供や若者の教育を支援する
- 他に100周年を機に設立された「三菱財団」もあり、あわせて社会貢献を加速
- 京都大教授のコメントとしては、バブル崩壊により系列などの経済的なつながりが薄れ、今後は「三綱領」をよりどころにした精神的なつながりを重んじる同窓会的な集団になるだろう
コメント
新聞には写真が出ていて、三菱商事、三菱重工、三菱UFJフィナンシャルサービスの3社会長が、「三綱領」を前に記念撮影されています。後ろには「スリーダイヤモンド」のマークと、「150th」の文字とあります。
とても同窓会的な集団には見えません。「スリーダイヤモンド」商標のライセンスを中心に結びついた企業グループに見えます。
ただ、資本で結び付いたものではなく、経営理念や、名前・マークで結び付いているのように見えます。
住友や三井も、近いものがあります。
そして、その写真の横に、三菱グループの主要26社の社名が並んでいる表があるのですが、「三菱」が社名に冠されていない会社が4分の1程度あります。
です。
さて、ポイントは150周年の記念事業の「三菱みらい教育財団」です。
三菱みらい育成財団 | 日本の未来を創る人材を育成・支援 (mmfe.or.jp)
150周年が2020年で、この財団は2017年5月とありますので、周年行事の3年前にはすでに設立していることになります。
そうなると、計画はその1年前以上からスタートしているでしょうから、150周年の5年ぐらい前から動いているというイメージでしょうか。
三菱グループには、他にも「三菱財団」というものがあるので、そこに資金を積み増して、教育関係の助成をするという方法もあるのですが、やはり新しく財団を作った方が、インパクトはあります。
二つの財団は同じ丸の内にあるようですが、住所は違いますので、完全に独立したもののようです。
支援先は、高校、教育関係のNPO、大学となっています。
高校に最高200万円、NPOに最高1000万円、大学に最高2000万円という金額です。2020年度の助成対象リストもあり、パワーポイント1枚での概要説明資料もあります。
高校で、200万円あると、何かできそうな感じはします。大学は、さすがにお金がかかるようです。
周年事業が、ブランド変更のチャンスだったりします。ブランドコンサルと議論していると、そのような提案があったりしますし、本社などの建物を作ったり、ショールームや展示会をすることが多いように思いますが、個別の事業会社ではなく、三菱グループですので、より大所高所の周年事業になるようです。
研究や教育に着目するというのは、未来を見据えているようで良いように思いまいした。
三菱財団も、研究者の支援のようなもののようですので、三菱は基本的に教育に熱心な会社グループに見えます。