Nishinyの商標・ブランド日記

商標・ブランドの情報です。弁理士の西野吉徳のブログです。

2019年の特許出願数

前年比3%減の322万件

2020年12月9日の日経に、2019年の世界の特許出願件数の話が出ていました。

世界特許出願、10年ぶり減: 日本経済新聞 (nikkei.com)

  • WIPOは、2019年の世界の特許出願件数が2018年に比べ3%減の322万件と発表
  • 10年ぶりに減少(※ 2009年はリーマンショックのあたりですね。)
  • 中国の出願件数が9%落ち込んだのが理由
  • 1位は中国で、出願件数は140万件
  • 2位は米国で、4%増の62万件
  • 3位は日本で、2%減の31万件
  • 4位は韓国で、4%増の22万件
  • 中国の出願件数の落ち込みは、量から質に制度を方向転換しているため
  • それでも、中国の出願件数は、世界の43%
  • 2020年の特許出願は11月までの統計からは、思ったような大きな出願件数の落ち込みはない

とあります。

 

コメント

前回、世界の特許出願件数の落ち込みがあったのは、リーマンショックのあたりです。

今回、世界の特許出願件数が、少し落ち込みがあるのは、中国の出願件数が減ったためということですが、それでも、中国は世界の43%と凄い件数を出しています。

 

また、この出願件数322万件というのは、単純に各国の特許出願を足し算したものであり、外国出願しているものも、各国出願を1出願と見ているようです。外国出願を除いた、純粋に第一国出願の件数を、各国比較で見たいなと思いました。

 

それはさておき、元ネタはWIPOのサイトです。

World Intellectual Property Indicators Report: Trademark and Industrial Design Filing Activity Rose in 2019; Patent Applications Marked Rare Decline (wipo.int)

  • 中国を除くと、特許出願は2.3%のアップ
  • 商標は、5.9%のアップ
  • 意匠は、1.3%のアップ
  • 事務総長は、ポストコロナについて、次のように言っているようです。

The pandemic has accelerated long-building trends by fostering the adoption of new technologies and accelerating the digitization of everyday life. Because IP is so connected to technology, innovation and digitalization, IP will become even more important to a greater number of countries in the post-COVID world.

 パンデミックは、新技術の採用を促進し、日常生活のデジタル化を加速させることで、長い間築き上げてきたトレンドを加速させました。知的財産は技術、イノベーション、デジタル化と密接に結びついているため、ポストCOVIDの世界では、より多くの国で知的財産の重要性がさらに高まることになるでしょう。(DEEPL翻訳)

 

2021年の特許出願がどうなるのか、少し心配ではあったのですが、WIPOは心配は不要と言っています。

 

ちなみに、商標は、

  • 2019年は、全世界で1,520万区分で、1,150万件の商標出願
  • 区分数は5.9%増加。10年連続の増加
  • 出願件数(区分数)の1位は中国で区分数は約780万件。2位は米国で672,681件。3位は日本で546,244件、4位はイランで454,925件。5位はEUIPOで40万7,712件。
  • 増加率は、ブラジル(22.3%増)、ベトナム(19.3%増)、イラン(18.4%増)、ロシア連邦(16.5%増)、トルコ(15.5%増)
  • 2019年の世界の有効な商標登録件数は推定5,820万件(前年比15.2%増)。1位の中国は2,520万件、2位は米国で280万件、3位はインドで200万件。

とあります。

 

イランは、商標出願の大国だったんですね。知りませんでした。