2020年12月14日の朝日新聞に、日本漢字能力検定協会の今年の漢字の記事がありました。今年の漢字には、「密」が選ばれ、清水寺の舞台で、森貫主によって発表されたとのことです。
- 応募数は20万8025票
- 「密」は最多の2万8401票
- 理由は、新型コロナウイルス感染症の世界的流行
- 大切な人との関係が密接になったこと
- 政界や芸能界で秘密が多かったことなど
- 「密」には、親しむという意味が含まれている。物理的には離れているが、心はしっかりしたつながりを持っていきたいと森貫主
- 2位「禍」
- 3位「病」
- 4位「新」:「新しい生活様式」など
- 5位「変」
- 6位「家」
- 7位「滅」
- 8位「菌」
- 9位「鬼」
- 10位「疫」
とあります。
コメント
「今年の漢字」は、単純に応募数で選ばれるので、事前の予想と予想と違うことはないだろうと思っていました。
朝日新聞の今年の漢字、漢字辞書オンラインの今年の漢字は、1位が「禍」でしたので、日本漢字能力検定協会も「禍」になるのではないかと予想していました。
日本漢字能力検定協会の トップ3の得票数は下記です。
1 位 「密」 28,401 票(13.65%)
2 位 「禍」 13,655 票(6.56%)
3 位 「病」 10,369 票(4.98%)
1位と2位には、ダブルの差があります。「密」が圧倒的です。
朝日新聞のものは、1位の「禍」が2位の「密」の3倍です。漢字辞書オンラインは1位の「禍」と2位の「密」が僅差でした。
この差は、何だろうと考えてみました。
まず、母数が違います。朝日新聞は916票、漢字辞書オンラインは2031票です。これに対して、日本漢字能力検定協会は、20万8025票です。まずは、この差があります。
しかし、統計的に考えて、数が問題ではなさそうです。
次に募集期間は、日本漢字能力検定協会は、2020年11月1日から12月6日です。
これに対して、朝日新聞は10月2日から11月5日と、ひと月早い感じです。
漢字辞書オンラインは、明確に分かりませんでした。
「今年の漢字」を予想投票(令和2年・2020年) (jitenon.jp)
「密」は年度の前半、「禍」は後半というイメージですので、結果にはあまり影響はなさそうです。
日本漢字能力検定協会は、個人だけではなく、団体受付というものがあり、学校で漢字検定をやっている学生(小、中、高)が多い可能性があります。そうなると、投票した人には、相当、若い人が多い可能性があります。
一方、朝日新聞の読者は年齢層は高そうです。
漢字辞書オンラインは、デジタルネイティブ層ですので、朝日新聞よりは少し下になると考えました。
若い人は「密」で、年齢層の高い人は「禍」という推測です。このデモグラフィック的な差が、結論の差ではないでしょうか。